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2008 年度 実績報告書

マメ科植物の根粒菌共生と病原抵抗性に共通な機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19780039
研究機関独立行政法人農業生物資源研究所

研究代表者

中川 知己  独立行政法人農業生物資源研究所, 植物・微生物間相互作用研究ユニット, 任期付研究員 (90396812)

キーワード植物微生物相互作用・共生 / 植物・病原体相互作用 / ミヤコグサ
研究概要

マメ科植物は根に根粒菌が感染することで根粒と呼ばれる器官を形成する。根粒内部では根粒菌が共生しており、大気中の窒素をアンモニアに変換して宿主植物に供給している。一方で植物は高度な防御機構を備えており、病原菌の侵入を感知すると過敏感細胞死や抗菌物質の蓄積などの手段により排除する。これまで根粒菌の感染-共生成立過程における防御応答機構の制御についての知見が少なかった。
本研究では根に根粒菌が過剰に感染するミヤコグサのhar1変異体が、地上部において病原菌であるPseudomonas syringaeに対する抵抗性が弱まっていることが明らかとなっている。本年度はこのHAR1依存的な抵抗性の実体を明らかにするために、マイクロアレイを用いて解析を行ったところ、野性型植物と比較してhar1変異体では複数の防御応答遺伝子の発現が減少していることが明らかとなった。またマメ科植物の基礎的な防御応答の知見を得るために、一般に植物に防御応答を誘導することが知られているキチンおよびフラジェリンに対する応答遺伝子を、マイクロアレイを用いて網羅的に解析した。その結果、マメ科植物に特有の抗菌物質であるイソフラボノイド系ファイトアレキシンの合成に関与する既知の全ての遺伝子が誘導されることが明らかとなった。またこれらの遺伝子は根粒菌の分泌する共生開始シグナルであるNod Factorによっても一過的に誘導されることが明らかとなった。
上記の結果からマメ科植物は根粒菌に対しても防御応答を一過的に作動させており、正常な相互認識が成立することで防御応答が解除されると推測される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ミヤコグサにおけるNod Factorシグナリングとキチンシグナリングの比較2009

    • 著者名/発表者名
      中川 知己
    • 学会等名
      第50回日本植物生理学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2009-03-21
  • [学会発表] Nod Factorによって誘導される防御応答の解析2008

    • 著者名/発表者名
      中川 知己
    • 学会等名
      第18回植物微生物研究会
    • 発表場所
      奈良女子大学
    • 年月日
      2008-09-17

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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