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2007 年度 実績報告書

イネ葉におけるrbcS遺伝子の過剰発現によるRubisco量の増強

研究課題

研究課題/領域番号 19780047
研究機関東北大学

研究代表者

鈴木 雄二  東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (80374974)

キーワードRubisco / RBCS / 過剰発現 / 老化 / 光合成 / 個体生育
研究概要

イネ(Oryza sativa L. cv Notohikari)においてRubiscoの小サブユニットをコードするOsRBCS2遺伝子をown promoterの制御下で過剰発現させることで成熟葉におけるRubisco量を増強した形質転換体を材料に、葉の老化に伴うRubisco量の変化、光合成特性の変化および個体生育を調べた。
その結果、Rubisco量は成熟葉では形質転換体の方が約20%高かったものの、老化葉においては形質転換体と野生型との間に大きな差は認められなかった。Rubiscoの律速性が強まる強光、低CO_2分圧下での光合成速度には、全ての葉の生育ステージにおいて両genotypeの間に大きな差が認められなかった。葉の光合成速度とRubisco量との関係を調べたところ、成熟葉では形質転換体において単位Rubisco量あたりの光合成速度が野生型のそれと比べ低くなっていたが、老化葉では両genotypeの間に差は認められなかった。このときのRubiscoの活性化率を調べたところ、成熟葉では形質転換体の方が低くなっていたが、老化葉においては差がなくなっていた。このことは、成熟葉において形質転換体の光合成速度が高くならなかった原因の一つはRubiscoの不活性化であることを示している。また、生育調査および生長解析を行ったところ、個体生育の前期および後期ともに、両genotypeの間で差は認められなかった。
以上の結果は、成熟葉においてRubisco量を増強したとしても、葉の光合成活性が老化過程を通じて高く保たれるわけではないこと、また、このために通常の環境下における生育が改善されるわけではないことを示している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Changes in the Synthesis of Rubisco in Rice Leaves in Relation to Senescence and N Influx2008

    • 著者名/発表者名
      K. Imai
    • 雑誌名

      Annals of Botany 101

      ページ: 135-144

    • 査読あり
  • [雑誌論文] RNA Extraction from Various Recalcitrant Plant Tissues with a Cethyltrimethylammonium Bromide-Containing Buffer Followed by Acid Guanidium Thiocyanate-Phenol-Chloroform Treatment2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Suzuki
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 72(In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Increased Rubisco Content in Transgenic Rice Transformed with the'Sense'rbcS Gene2007

    • 著者名/発表者名
      Y. Suzuki
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology 48

      ページ: 626-637

    • 査読あり
  • [学会発表] CTABを含む緩衝液とAGPC処理を用いた厄介な植物組織からのRNA抽出法2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木 雄二
    • 学会等名
      日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20080320-22
  • [学会発表] イネにおけるrbcS gene familyの部位特異的発現特性2007

    • 著者名/発表者名
      鈴木 雄二
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会年会
    • 発表場所
      東京、世田谷
    • 年月日
      20070822-24
  • [学会発表] Increased Rubisco content in transgenic rice transformed with "sense" rbcS gene2007

    • 著者名/発表者名
      Y. Suzuki
    • 学会等名
      14th International Congress on Photosynthesis
    • 発表場所
      Glasgow、英国
    • 年月日
      20070722-27
  • [学会発表] Increased Rubisco content in transgenic rice transformed with "sense" rbcS gene2007

    • 著者名/発表者名
      Y. Suzuki
    • 学会等名
      Research Frontiers with Rubisco, the "Elixir of Life" in the Biosphere
    • 発表場所
      Harpenden、英国
    • 年月日
      20070720-21

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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