• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

イネ葉におけるrbcS遺伝子の過剰発現によるRubisco量の増強

研究課題

研究課題/領域番号 19780047
研究機関東北大学

研究代表者

鈴木 雄二  東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (80374974)

キーワードRubisco / RBCS / 過剰発現 / RBCL / mRNA量 / 葉の老化
研究概要

イネ(Oryza sative L. cv Notohikari)においてRubiscoの小サブユニットをコードするOsRBCS2遺伝子をown promoterの制御下で過剰発現させることで成熟葉におけるRubisco量を増強した形質転換体を材料に、葉の発達に伴うRubisco量およびRBCS multigene familyとRBCL遺伝子のmRNA量の変化を調べた。
Rubisco量は成熟葉である最上位完全展開葉で最大となり, 形質転換体では単位葉面積および葉身窒素量あたりで野生型の1.2倍に増加していた. Rubisco量は下位葉において, 葉の老化に伴い徐々に減少したが, 両者の間の差はなくなった. RBCS mRNA量は展開中の若い葉において最大となり、以降急激に低下し、老化葉においては非常に低くなっていた。形質転換体ではOsRBCS2mRNA量が葉齢によらず野生型の7倍以上に増加していた一方で、他の分子種には変化が認められなかった。このため、形質転換体の全RBCSmRNA量は、葉齢によらず野生型の2倍以上に増加していたが、老化葉においては野生型の最大値と比べ非常に低いものであった。葉の一生を通じたRBCL mRNAの変動はRBCSのそれと同様な傾向を示した。形質転換体では葉齢によらず野生型よりも若干高くなる傾向にあったが、老化葉においては全RBCS mRNA量と同様に非常に低くなっていた。
以上のことから、形質転換体イネの比較的若い葉ではRBCSの過剰発現に対しRBCLが協調的に応答することでRubisco量が増加していた一方で、老化葉では両遺伝子間の協調は認められたもののmRNA量の低下のためRubisco生合成の活性が著しく低下していたことによりRubisco量が増加していなかったものと考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Rubisco content and photosynthesis of leaves at different positions in transgenic rice with an overexpression of RBCS2009

    • 著者名/発表者名
      Y. Suzuki
    • 雑誌名

      Plant, Cell and Environment 32

      ページ: 417-427

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Comparative transcriptomic characterization of aluminum, sodium chloride, cadmium and copper rhizotoxicities in Arabidopsis thaliana2009

    • 著者名/発表者名
      Cheng-Ri Zhao
    • 雑誌名

      BMC Plant Biology 9(in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Increased Rubisco Content in Transgenic Rice Transformed with "Sense" rbcS Gene2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Suzuki
    • 雑誌名

      Photosynthesis. Energy form the Sun

      ページ: 885-888

    • 査読あり
  • [学会発表] RBCS遺伝子を過剰発現した形質転換体イネのRubisco量, 光合成速度および個体生育2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木雄二
    • 学会等名
      日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      名古屋、千種区
    • 年月日
      20090321-24
  • [学会発表] Changes in Rubisco content during leaf development in Eucalyptus globulus2009

    • 著者名/発表者名
      Y. Suzuki
    • 学会等名
      NISSAN SCIENCE FOUNDATION Woody Plants Biotechnology Symposium
    • 発表場所
      東京、千代田区
    • 年月日
      2009-02-26
  • [学会発表] RBCS遺伝子を過剰発現したイネの葉の一生におけるRubiSCQ量および光合成特性の変化2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木雄二
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会年会
    • 発表場所
      名古屋、瑞穂区
    • 年月日
      20080909-11

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi