研究課題
Corynebacterium glutatamicum由来のアスパラギン酸キナーゼの活性調節サブユニットの組み換えタンパク質の大量発現系、精製法を確立し、結晶化に成功し、1.58Å分解能でめ結晶構造の決定を行うた。結晶構造中には阻害剤であるスレオニンが存在しており、詳細な結合様式を解明することができた。このスレオニン結合部位は、リジンの工業生産に用いられているAEC(2-アミノエチルシステイン)耐性変異株の持つ変異部位に近接していることから、AEC耐性変異体は、実はリジン耐性変異体ではなくスレオニン耐性変異体であることを示すことができた。また、活性調節サブユニットがスレオニン非存在下では単量体として存在するのに対し、スレオニン添加により二量体を形成することを明らかにし、活性調節サブユニットの複合体形成が活性調節への1つのステップであるという、ユニークな酵素活性調節機構を示すことができた。また、高度好熱菌Thermus Thermophilus由来のアスパラギン酸キナーゼの活性調節サブユニットの結晶構造を、スレオニン存在下,非存在下で決定することにも成功した。この構造から、スレオニンによる構造変化と活性調節機構の一部が明らかとなり、またC.glutamicumの活性調節サブユニットとの比較から、疎水性相互作用がタンパク質の耐熱性に重要であることを明らかにすることができた。
すべて 2007
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Journal of Molecular Biology 368
ページ: 521-536
Acta Crystallography Section F. 63
ページ: 96-98