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2007 年度 実績報告書

高濃度二酸化炭素存在環境における微生物生態

研究課題

研究課題/領域番号 19780055
研究機関信州大学

研究代表者

橋本 昌征  信州大学, ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点, 助教 (80402139)

キーワード環境微生物 / 難培養微生物 / 二酸化炭素
研究概要

環境中に存在する微生物のほとんどは培養できないことが知られており,近年,培養を経ない微生物生態研究が注目を集めている。しかし,その様な微生物が培養可能になることによる恩恵は計り知れず,様々な新しい培養法の検討もまた重要な課題である。本研究では,様々な環境から二酸化炭素を要求する細菌を単離することを目的としている。
まず始めに細菌を単離するための培養条件の検討を行った。その結果,二酸化炭素を供給しても培地のpHが変動しないよう,MOPSバッファーを培地に加えることで培養条件を安定化できることを見いだした。
次に,土壌環境や下水処理場,湖沼底泥など様々な環境サンプルを用い,最初にCO2インキュベーターにて培養したのち,生じたコロニーを2枚のプレートに植え継いで,1枚を通常のインキュベーターにて大気下で(CO2=0.03%),もう1枚をCO2インキュベーター(CO2=10%)にて培養した。その結果,二酸化炭素10%条件下では増殖できるものの,太気下では培養できない細菌を多数得ることができた。得られた細菌の二酸化炭素要求性に対する再現性を繰り返し確認したところ,3株にて再現よく二酸化炭素の要求性がみられだため,これらを二酸化炭素要求性細菌とした。実際にCO2を要求する好気性従属栄養細菌を単離することができたことから,これまで難倍用微生物とされてきた細菌を培養ずる際に,二酸化炭素の供給が一つの解決策になることを示すことができた。
ところで,二酸化炭素要求性の再現性を確認する段階で,ほとんどの細菌が二酸化炭素を要求せずに培養できるようになってしまった。さらなる検証が必要であるが,これらの細菌は生きているが培養できない状態であったものが高濃度の二酸化炭素をきっかけに培養可能な状態になったのではないかと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 高濃度CO2要求性細菌の探索2008

    • 著者名/発表者名
      ○原田宏之, 林田信明, 関口順一, 橋本昌征
    • 学会等名
      日本農芸化学会2008年度大会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-03-28
  • [学会発表] 高濃度CO2要求性細菌の探索2007

    • 著者名/発表者名
      ○原田宏之, 林田信明, 関口順一, 橋本昌征
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-11

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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