骨形成および骨代謝にcGMP シグナリングが重要な役割を果たしていることが知られている。本研究では、cGMP 結合タンパク質であるcGK II およびcGK I の情報伝達系の解明を試み、以下の成果を得た。 1.酵母two-hybrid法によって、cGK IIと特異的に相互作用するタンパク質として小胞輸送制御因子Rab11を同定した。cGK II-Rab11複合体はcGMP依存的に中心小体から細胞膜へと移行した。 2.cGK Iα結合タンパク質としてrhoエフェクタータンパク質であるrhotekinを同定した。cGKIαとrhotekinの特異的な結合は、cGMPによるcGK Iαの活性化に伴って解離することが明らかとなった。また、cGK Iαはrhotekinの92番目Serを特異的にリン酸化したことから、現在、そのリン酸化の生理意義について解析中である。 3.cGK Iの候補基質としてcyclin-dependent protein kinase(CDK)ファミリーに属するPCTAIRE protein kinase 3(PCTK3)を同定した。部位特異的変異導入実験によってcGK IαはPCTK3の12番目Serを特異的にリン酸化することが明らかとなった。現在、リン酸化によるkinase活性や細胞内局在の変動などについて解析中である。
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