研究課題
1. 発光タンパクが効率よく発光している分子機構を明らかにすることを目的として、イクオリンを光親和性標識した。既に合成したアジド化デヒドロセレンテラジンを用いてイクオリンを再構成し、発光前後において光照射した。トリプシン消化した後、質量分析した結果、システイン残基が特異的に酸化修飾されていることが判明した。この現象はこれまでに報告例が無く、発光前後におけるタンパクの動的変化解析に利用できる手法を確立できた。2. フッ素基を2個導入したDCTを用いて、シンプレクチン活性部位のシステイン残基を390番目であることを突き止めた。2種類のDCT誘導体を合成して活性を測定したところ、フッ素基の置換位置によって、活性に大きな差が生じることが明らかになった。その原因について種々検討した結果、システイン残基との反応性が大きく異なることが明らかになった。反応性が大きすぎる場合、活性のあるクロモフォアを形成できなくなるために、発光活性が低下することが明らかになった。3. ホタルイカルシフェリンの構造に関する研究を展開した。硫酸化、リン酸化ルシフェリンをそれぞれ合成し、天然物と詳細に比較した結果、硫酸化セレンテラジンで間違いないことを確認した。
すべて 2009
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Bioorg., Med. Chem. 17(印刷中)
J. Mass Spectrom. Soc. Jpn. 57
ページ: 89-95
Bull. Chem. Soc. Jpn. 82(印刷中)