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2009 年度 実績報告書

大豆のフラボノイド代謝機構に関わる遺伝子の探索及び分子生物・細胞生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 19780089
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

戸田 恭子  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究所大豆育種研究チーム, 主任研究員 (10360447)

キーワード大豆 / 低温ストレス耐性 / フラボノイド / 抗酸化活性 / ケルセチン
研究概要

大豆には毛茸が褐色の品種と白色の品種があるが、前者の方が低温スドレスに対する耐性が高い。申請者らのグループでは、遺伝学的に耐冷性を解析し、褐毛品種の低温ストレス耐性が、毛茸色を支配する遺伝子T自体、あるいはTに強く連鎖した遺伝子に起因することを明らかにした(Takahashi and Asanuma 1996, Takahashi 1997)。さらに、遺伝子Tはフラボノイド合成酵素のひとつであるフラボノイド3'-水酸化酵素(F3'H)をコードしており、白毛品種では遺伝子中に1塩基の欠失が起こり、タンパクの機能が失われていることが明らかとなった(Tbda et al. 2002)。そこで本研究でTに関する準同質遺伝子系統To7B、 To7Gを用い、低温による酸化ストレスをDAB染色、チオバルビツール酸法により比較した結果、To7Gのほうが低温により受ける酸化ストレスが高いことが明らかとなった。一方、両系統とも低温条件によりDPPHラジカル消去活性は上昇したが、 To7Bのほうがより高いDPPHラジカル消去活性を示した。また、HPLC分析の結果、低温によりTo7Bの組織ではケルセチンとイソラムネチン(3'-o-メチルケルセチン)の濃度が、To7Gではケンフェロールの濃度がそれぞれ上昇することが明らかとなった。F3'H活性はケルセチンとイソラムネチンの生合成に必須である。これらのことから、大豆褐毛品種では低温によりフラボノイドを蓄積し、その結果抗酸化活性が上昇して低温による酸化ストレスから防御していること、一方、白毛品種ではF3'H活性を持たないため抗酸化能の高いケルセチン等のフラボノイドが蓄積せず、結果低温による酸化ストレスを受けることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Difference in chilling-induced flavonoid profiles, antioxidant activity and chilling tolerance between soybean near-isogenic lines for the pubescence color gene2010

    • 著者名/発表者名
      Kyoko Toda, Ryoji Takahashi, Tsukasa Iwashina, Makita Hajika
    • 雑誌名

      Journal of Plant Research (印刷中)

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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