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2008 年度 実績報告書

肥満関連炎症性疾患に関わるケモカインの日本型食品由来成分による制御

研究課題

研究課題/領域番号 19780096
研究機関京都大学

研究代表者

平井 静  京都大学, 農学研究科, 産学官連携研究員 (90432343)

キーワード日本型食品 / 肥満 / 炎症 / MCP-1 / TNF-α / 脂肪細胞 / マクロファージ / ジオスゲニン
研究概要

肥満状態では、脂肪組織由来のMCP-1が脂肪細胞へのマクロファージの浸潤と活性化を誘導することで、アテローム性動脈硬化、インスリン抵抗性などの肥満に伴う炎症反応において重要な役割を果たしていることが示唆されている。そこで、肥満に伴う炎症性疾患の発症メカニズムの解明と日本型食品由来成分によるその制御を目的に、本年度は、日本型食品の中でも特に植物(野菜)に着目し、昨年度に構築した「炎症性サイトカイン(MCP-1およびTNF-α)の発現を制御する食品成分を高感度で探索するin vitroスクリーニング系」を用いて抗炎症作用を有する成分の単離を試みた。
その結果、まず、カレーの香辛料として知られるマメ科の植物のフェヌグリーク(Trigonella foenumgraecum)中から、有効成分として、ステロイドサポニンであるジオスゲニンが見い出された。ジオスゲニンは脂肪細胞とマクロファージの相互作用による炎症反応に対しても実際に効果を発揮したため、さらにその抑制シグナルについて検討したところ、マクロファージにおけるNFκBおよびJNKシグナルを抑制することが判明した。
また、ナス(Solanum melongena)をエタノールおよびヘキサンで抽出後、HPLCで分画したフラクション中にもこれらの炎症性サイトカインの発現を強く抑制するフラクションが見出された。そこで、このフラクションをさらにHPLCで分画し、LC-MSを用いて候補成分を検討したところ、脂肪酸関連の候補物質が見出された。現在NMRによる候補成分の同定を行っているが、脂肪酸はリガンド依存性の核内転写因子であるPPARγのリガンドとなることで抗炎症作用を発揮することが報告されているため、このナス中から見出された成分が肥満に伴う脂肪組織での慢性炎症反応に対しても有効性を発揮する可能性が高いことが考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Dietary,regulation of nuclear receptors in obesity-related metabolic syndrome2008

    • 著者名/発表者名
      Kawada T, Goto T, Hirai S, Kang MS, Uemura T, Yu R, Takahashi N.
    • 雑誌名

      Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition 17

      ページ: 126-130

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Auraptene, a citrus fruit compound, regulates gene expression as a PPARα agonist in HepG2 hepatocytes.2008

    • 著者名/発表者名
      Takahashi N, Kang MS, Kuroyanagi K, Goto T, Hirai S, Ohyama K, Lee JY, Yu R, Yano M, Sasaki T, Murakami S, Kawada T
    • 雑誌名

      BioFactors 33

      ページ: 25-32

    • 査読あり
  • [学会発表] 肥満関連炎症性サイトカインに対するステロイドサポニン、ジオスゲニンの分泌抑制作用2008

    • 著者名/発表者名
      溝口典子、平井静、植村卓、中野雄喜、正野仁慈、星野彰平、柘槙信昭、鳴神寿彦、高橋信之、河田照雄
    • 学会等名
      第29回日本肥満学会
    • 発表場所
      大分県、大分市
    • 年月日
      20081017-18
  • [図書] 「Nutrigenomics and proteomics in nealth and Deseases. Food Factors and Gene Interactions.」 "4 Obesity and Nuclear Receptors : Effective Genomic Strategies in Functional Foods" "20 Isoprenols"2009

    • 著者名/発表者名
      Teruo Kawada, Tsuyoshi Goto, Shizuka Hirai, Rina Yu, Nobuyuki Takahashi
    • 総ページ数
      47-58, 301-310
    • 出版者
      Blackwell Publishing
  • [図書] Tood Factors for Health Promotion」 "Genomics : 3.Genome science of lipid metabolism and obesity"2009

    • 著者名/発表者名
      Nobuyuki Takahashi, Tsuyoshi Goto, Shizuka Hirai, Taku Uemura, Teruo Kawada
    • 総ページ数
      25-38
    • 出版者
      Karget
  • [図書] 肥満と脂肪エネルギー代謝-メタボリックシンドロームへの戦略-「第11章肥満・メタボリシクシンドロームと食品機能」2008

    • 著者名/発表者名
      平井静、後藤剛、柳梨娜、高橋信之、河田照雄
    • 総ページ数
      217-238
    • 出版者
      建帛社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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