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2008 年度 実績報告書

茶カテキン結合蛋白質のプロテオーム解析による生理作用発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19780101
研究機関静岡県立大学

研究代表者

石井 剛志  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (50448700)

キーワード食品因子 / プロテオーム / カテキン類 / 相互作用 / 標的蛋白質 / 共有結合 / システイン残基 / 酸化安定性
研究概要

カテキン類と蛋白質との結合による複合体の形成は古くから知られている。カテキン類の舌や口腔粘膜のペプチドや蛋白質との結合による変性作用は、苦渋咲を呈し、緑茶においてはその味覚を決める重要な現象のひとつである。また、カテキン類は食品中の蛋白質とも強く結合するため、食品科学分野においては嗜好生だけでなく、調理、製造、加工あるいけ食品の機能性の損失の観点からも重要な現象である。このように、カテキン類と蛋白質との相互作用は一般に広く認識されているにも関わらず、カテキン類の示す生理作用の観点からはこれまであまり研究が進んでいなかった。
本研究では、前年度に構築したカテキン類と蛋白質との結合を簡便に検出する方法として、レドックスサイクリング染色法、ホウ酸結合ビーズによる精製法及び質量分析法を駆使し、標的蛋白質の探索及び結合構浩の解析を行った。培養細胞系を用いた検討により、グリセルアルデヒドー3-リン酸脱水素酵素(GAPDH)やグルタチオンS-トランスフェラーゼP1-1(GSTP1)がエピガロカテキンガレート(EGGg)の標的蛋白質のひとつであることを明らかとした。また、GAPDHやGSTP1とEGCgとの結合様式は共有結合であり、システイン残基が主要な標的部位であることを同定した。カテキン類の酸化安足性は、pH、抗酸化剤の有無、抗酸化剤の種類及び酸化控訴の有無により異なり、B環の水酸基の数が多いカテキン類ほど酸化安定性は低く、蛋白質中のシステインの反応性も高かった。
近年、プロシンポスファターゼやペルオキシレドキシンをはじめとする様々な蛋白質の機能調節に、活性酸素種や求電子性物質によるシステイン残基の酸化還元反応による構造変化が重要な役割を示すことが明らかとたり、システイン残基の修飾反応は生体内の重要なシグナル因子であることが提唱されている。本研究成果より、カテキン類は培養細胞系において標的蛋白質のシステイン残基と共有結合することが明らかとなったが、結合により蛋白質や細胞機能が調節されている可能性がある。今後は、カテキン類の示す生理作用の発現機構に共有結合反応が関運するか否かを検討する必要がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Covalent modification of proteins by green tea polyphenol (-)epigallneatetehin-3-gallatp thrnrivh antnyirlatinn2008

    • 著者名/発表者名
      Ishii T, et.al.
    • 雑誌名

      Free Radical Biology and Medicine 45

      ページ: 1384-1394

    • 査読あり
  • [学会発表] (-)Epigallocatechin gallateとglutathion-S-trannsferase P1-1との共有結合反応2008

    • 著者名/発表者名
      森大気, 他
    • 学会等名
      第13回日本フードファクター学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-11-17
  • [学会発表] カテキン類と蛋白質との相互作用 : 分析法の構築とその応用2008

    • 著者名/発表者名
      石井剛志
    • 学会等名
      第5回日本カテキン学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-08-22
  • [学会発表] カテキン類の酸化安定性と蛋白質システイン残基との反応性2008

    • 著者名/発表者名
      森大気、石井剛志、赤川貢、中山勉
    • 学会等名
      第61回日本酸化ストレス学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-06-20
  • [学会発表] Regulation of thiol enzyme activity by(-)-epigallocatechin gallate through covalent binding to cysteine2008

    • 著者名/発表者名
      Mori T, et.al.
    • 学会等名
      2008 ASBMB Annual Meeting
    • 発表場所
      San Diego, CA, USA
    • 年月日
      2008-04-08

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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