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2008 年度 実績報告書

食品成分によるリンパ球ホーミングの組織特異性の制御

研究課題

研究課題/領域番号 19780107
研究機関徳島文理大学

研究代表者

横田 彩  徳島文理大学, 香川薬学部, 助教 (30446075)

キーワード腸管免疫 / 樹状細胞 / ビタミンA / レチノイン酸 / RALDH / GM-CSF / 細胞接着因子 / ケモカイン
研究概要

小腸関連二次リンパ系組織の樹状細胞(DC)はRALDH2を発現し、ビタミンAからレチノイン酸(RA)を生成する能力を有する。RAはリンパ球の小腸へのホーミング特異性を付与するだけではなく、Foxp3陽性制御性T細胞の分化を促進することから、RALDH2陽性樹状細胞は腸管免疫の正と負のバランスを巧妙に調節していると考えられる。そこで、DCのRALDH2発現を誘導する腸組織環境因子を探索したところ、GM-CSFが重要な役割を担っていることを見出した。さらに、GM-CSFによるRALDH2発現誘導にはRA自身も必須であることを明らかにした。
本年度は生体内におけるRAによる腸管免疫バランスの調節機構を解明することを目的とし、ビタミンA欠乏餌摂取マウスを用いた個体レベルの解析を行った。
1、ビタミンA欠乏餌摂取マウスでは、小腸関連二次リンパ系組織のDCの頻度や細胞表面マーカーの発現パターンについては大きな変化が見られなかったが、RALDH2の発現と酵素活性が著しく低下していた。
2、SPFマウスの正常な小腸組織ではマクロファージが恒常的にGM-CSFを産生しており、ビタミンA欠乏餌摂取マウスでは、その発現量が低下していた。これはビタミンA欠乏によってDCのRALDH2発現が低下する原因の一つであると考えられる。
3、一方、小腸組織の血管内皮細胞や腸上皮細胞における細胞接着因子・ケモカイン(MAdCAM-1、CCL25、E-cadherin)発現は、ビタミンA欠乏によって低下していなかった。
以上の結果から、ビタミンAは生理的にもRALDH2陽性樹状細胞の機能発現に寄与していることが明らかとなった。ビタミンAは食品成分でもあるため、腸管環境のコントロールを比較的容易に行うことができる。そのため、得られた研究成果は機能性食品や医薬品の開発などに大きく発展することが期待できる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] GM-CSF and IL-4 synergistically trigger dendritic cells to acquire retinoic acid-producing capacity2009

    • 著者名/発表者名
      Aya Yokota
    • 雑誌名

      International Immunology 21(4)

      ページ: 361-377

    • 査読あり
  • [学会発表] GM-CSFは腸管関連リンパ組織の樹状細胞にレチノイン酸生成能を賦与する2008

    • 著者名/発表者名
      横田彩
    • 学会等名
      第38回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2008-12-02
  • [学会発表] GM-CSFとIL-4は樹状細胞にレチノイン酸産生能を協調的に誘導する2008

    • 著者名/発表者名
      横田彩
    • 学会等名
      第19回日本レチノイド研究会学術集会
    • 発表場所
      東京慈恵会医科大学
    • 年月日
      2008-11-21
  • [備考]

    • URL

      http://kp.bunri-u.ac.jp/kph05/gyoseki.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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