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2007 年度 実績報告書

北東アジアにおける寒温帯性針葉樹種の系統地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19780111
研究機関宇都宮大学

研究代表者

逢沢 峰昭  宇都宮大学, 農学部, 助教 (70436294)

キーワードエゾマツ変種群 / チョウセンゴヨウ / マツ科 / ミトコンドリアDNA / 系統地理 / 北東アジア
研究概要

本年度は、北東アジアに広域的に分布するマツ科エゾマツ変種群(Picea Jezoensis)とチョウセンゴヨウ(Pinus koraiensis)について、ダイレクトシーケンス法によりミトコンドリアDNA(mtDNA)領域の塩基配列を決定し、これら樹種のもつ分布域の地史的変遷のシナリオを推論する上での解析基盤を整えた。エゾマツ変種群については、筆者らの先行研究で使用したDNAを用いて、mtDNAの2領域のインターナルプライマー4組を設計し、ダイレクトシーケンス法により塩基配列を決定可能にした。チョウセンゴヨウについては、国内の分布域を広く網羅するように5集団(各集団当たり3〜25個体)から針葉を採取し、全DNAを抽出した。そして、すでにマツ属で開発されているmtDNA領域を増幅するための6つのプライマーを用いて、PCR増幅が可能かどうかを調べた。PCR増幅の成功した5つのmtDNA領域について、インターナルプライマー6組を設計し、ダイレクトシーケンス法により塩基配列を決定可能にした。予備的解析によって得られた塩基配列を比較したところ、2つのmtDNA領域で地理的変異が見られた。1つの領域では日本国内と大陸の集団間で1塩基置換が見られ、もう一方の領域では本州の御嶽山集団の一部と西岳集団でそれぞれ35bpと3bpの挿入・欠失が見られた。これらの変異の組み合わせにより、4つのハプロタイプが得られた。しかし、国外(ロシア、中国、韓国)の集団については予備的解析を行っただけであるため、次年度は国外の解析集団数を増やす予定である。また、各集団間の系統地理的関係の推定についても次年度行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Phylogeography of a northeast Asian spruce, Picea jezoensis, inferred from genetic variation observed in organelle DNA markers2007

    • 著者名/発表者名
      Aizawa, M., Yoshimura, H., Saito, H., Katsuki, T., Kawahara, T., Kitamura, K., Shi, F. & Kaji, M
    • 雑誌名

      Molecular Ecology 16

      ページ: 3393-3405

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本のトウヒ属樹種の植物地理2007

    • 著者名/発表者名
      逢沢峰昭
    • 雑誌名

      林木の育種 223

      ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [学会発表] 本州中部におけるイラモミの後氷期の分布変遷2008

    • 著者名/発表者名
      逢沢峰昭・吉丸博志・勝木俊雄・梶幹男
    • 学会等名
      第119回日本森林学会大会
    • 発表場所
      東京農工大学
    • 年月日
      2008-03-28

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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