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2008 年度 実績報告書

植物群落における熱・水・炭素循環過程と群落の成長・衰退の統合モデル化

研究課題

研究課題/領域番号 19780115
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

高梨 聡  独立行政法人森林総合研究所, 気象環境研究領域, 研究員 (90423011)

キーワード熱・水・二酸化炭素フラックス / 多層モデル / ガス交換 / 光合成 / 呼吸 / 群落構造 / 森林 / 寒地芝
研究概要

本研究は植物群落における熱・水・炭素循環過程と群落の生長・衰退過程との相互関係を明らかにすることを目的として行われており、様々な植生において、その環境応答特性を明らかにするために観測・モデル化の双方を行っている。対象群落は熱帯雨林、温帯常緑針葉樹林、温帯落葉広葉樹林、温帯寒地芝群落、冷温帯常緑針葉樹林である。熱帯フタバガキ群落における樹冠上フラックスの観測結果から群落全体としての環境応答特性を解析し、本群落では乾期においても大気飽差に対する蒸散特性が変化しないこと、一年を通して午前と比較して、午後には二酸化炭素吸収量が低下することなどを明らかにした。芝群落に於いては、生態系呼吸量を葉・根・土壌の各コンパートメントに分離して測定した。各コンパートメントの呼吸量の温度依存特性を解析し、これまでに取得されている各コンパートメントの生長量・枯死脱落量のデータを併せて、生長・衰退モデルを新たに開発し、光合成・蒸散モデルとの結合を行った。改良された生長・衰退モデルにより、芝群落における地温の上昇・光条件の変化・芝の張り替え等の影響を定量的に評価し、芝群落の生長・衰退の予測を可能とした。またこのモデルを植生タイプの違う森林群落に適用し、再現性・一般性を検討した。芝群落においては光合成産物をあまり貯蔵せず、生長・衰退に直結するため、ある程度うまく予測することができたが、ライフサイクルが長く、多様な植物が存在する森林群落においては時間的・空間的な生長戦略・生物季節の違いを考慮する必要があった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Vertical profiles and storage fluxes of CO2, heat and water in a tropical rainforest at Pasoh, Peninsular Malaysia2008

    • 著者名/発表者名
      Ohkubo, S.、T Kosugi, Y.、Takanashi, S.、Matsuo, N.、Tani, M.、Abdul Ralrim Nik
    • 雑誌名

      Tellus B 60

      ページ: 569-582

    • 査読あり
  • [学会発表] 冷温帯アカマツ林における二酸化炭素交換特性の季節変動2009

    • 著者名/発表者名
      高梨聡,溝口康子,大谷義一,中井裕一郎,中野隆志,安田泰輔
    • 学会等名
      第120回日本森林学会大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20090300
  • [学会発表] 桐生水文試験地36年間の蒸発散量変動を説明する多層モデル2009

    • 著者名/発表者名
      小杉緑子,高梨聡
    • 学会等名
      第120回日本森林学会大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20090300
  • [学会発表] 土壌呼吸の構成要素としての根の役割京都ヒノキ林とマレーシア熱帯林における測定より2009

    • 著者名/発表者名
      檀浦正子,兼光修平,小杉緑子,谷誠,牧田直樹,溝口岳男,高梨聡,伊藤雅之
    • 学会等名
      第120回日本森林学会大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20090300

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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