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2008 年度 実績報告書

細胞内寄生細菌"ボルバキア"がマツノマダラカミキリの生殖機能に与える影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19780126
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

相川 拓也  独立行政法人森林総合研究所, 東北支所, 主任研究員 (90343805)

キーワードボルバキア / 生殖異常 / マツノマダラカミキリ
研究概要

今年度は以の3つの調査および実験を行った
1. ボルバキア感染系統と非感染系統の作成
複数の地域のマツ枯死木を集め、地域ごとにマツノマダラカミキリ成虫を脱出させた。脱出成虫の精巣・卵巣からDNAを抽出し、PCR法によりボルバキア感染の有無を調査した。その結果、ボルバキアが検出される個体群と検出されない個体群が存在したため、それらの個体群をボルバキア感染系統と非感染系統として維持した。
2. 孵化率の調査
ボルバキア感染系統と非感染系統を用いて交配実験を行い、組み合わせ間で卵の孵化率を比較した。ボルバキアに感染していない雌雄をかけあわせた時の卵の孵化率は84%であった(対照区)。一方、非感染雄と感染雌をかけあわせた時の孵化率は87%、また、感染雄と非感染雌をかけあわせた時の卵の孵化率は91%であった。このように、雌雄どちらかが感染した場合でも、その孵化率は対照区の孵化率とほとんど変化がなかったことから、マツノマダラカミキリが保持するボルバキアは宿主昆虫の卵の孵化率に影響を与えていないことが示唆された。
3. 性比の調査
ボルバキア感染系統内、および非感染系統内での交配では、次世代の性比は常に1:1となることがわかっている。そこで、ボルバキア感染系統と非感染系統との間で交配実験を行い、組み合わせ間で次世代の性比を比較した。非感染雄と感染雌をかけあわせた時の次世代の性比は24:25(雄:雌)であった。また感染雄と非感染雌をかけあわせた時の次世代の性比は22:25であった。このように雌雄どちらかが感染した場合でも次世代の性比は1:1であったことから、マツノマダラカミキリが保持するボルバキアは宿主昆虫の性比に影響を与えていないものと思われた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 図書 (1件)

  • [図書] Pine Wilt Disease2008

    • 著者名/発表者名
      Zhao, B.G., et al.
    • 総ページ数
      123-138
    • 出版者
      Springer

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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