研究概要 |
近年やんばる地域で大量発生しているリュウキュウマツ枯死木がノグチゲラの営巣活動に対してエコロジカルトラップとして作用しているかを検証するため、2年目である平成20年度は、平成19年度に引き続き(1)マツ材線虫病発生地域におけるノグチゲラの営巣状況, (2)リュウキュウマツ枯死木を利用したノグチゲラの繁殖成続, (3)ノグチゲラ営巣木の特徴と営巣木周囲の植生について調査を実施した。 現地調査によるノグチゲラ営巣木の探索と過去の情報収集を行い、リュウキュウマツを利用した営巣情報を12例収集することができ,このうち6例で繁殖失敗が観察された。繁殖失敗要因は、営巣木の倒壊、捕食、雨水の浸入による繁殖失敗例が確認された。リュウキュウマツ枯死木における巣立ち成功率は、イタジイ生木などの場合と比較して低く、ノグチゲラにとって質の低いハビタットであることが示唆された。ノグチゲラ営巣木選択における樹種、状態(生・枯死)に対する選好性をあきらかにするため、発見した営巣木周辺の植生調査を継続している。
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