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2007 年度 実績報告書

乾燥からの回復過程における島嶼生態系移入樹種の水利用特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19780129
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

矢崎 健一  森林総合研究所, 植物生態研究領域, 研究員 (30353890)

キーワード島嶼生態系 / 小笠原 / 移入樹種 / パルス水 / 樹液流 / 木部構造 / 主成分分析
研究概要

本研究の目的である、島嶼生態系への移入樹種が乾燥および突発的な潅水に対してどのように水を利用しているかを評価するため、平成19年は以下の実験・解析を行った。
1.野外における突発的な降雨に対する樹幹流速の変化
小笠原の主要な在来種であるウラジロエノキ(先駆樹種)、ヒメツバキ(中間種)と、移入樹種であるアカギ(中間種)の、それぞれの成木における胸高部と先端部の樹幹流速を9月から12月まで測定した。同じ期間、土壌含水率と日射量を測定し、長期間の乾燥および突発的な潅水に対する樹幹流速の変化を調べた。突発的な降雨に対し、在来樹種のウラジロエノキとヒメツバキは先端部の流速が降雨と同時間に急激に増加した。一方、移入樹種のアカギは緩やかに増加した。この事から、在来樹種は降雨に対して感受性が高く、突発的な降雨を効率よく利用する一方、土壌が深いところに侵入するアカギは、降雨を効率よく利用できないことが示唆された。
2.乾燥耐性に寄与する木部構造特性の解析
小笠原で異なる水分条件に生育する樹種の成長錐サンプルより光学顕微鏡試料を作成し、木部構造(道管断面積など)特性を測定した。これと既存の生理特性(光合成速度など)データとで主成分分析を行った結果、第一主成分の正方向に容積密度が含まれ、負方向に道管平均断面積、光合成速度、葉の浸透ポテンシャルが含まれた。従って第一主成分は「木部の鉛直方向の通導性の指標」と解釈できた。一方、第二主成分の正方向に道管複合指数(=道管総数/道管群数)や放射組織面積率が含まれ、負方向に道管数が含まれた。従って第二主成分は「木部の水平方向のネットワーク構築の指標」と解釈できた。第二主成分までの累積寄与率は68.2%であり、この二成分で各機能タイプを分類することができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 小笠原父島の樹木21種の機能タイプによる樹幹木部構造の収斂2008

    • 著者名/発表者名
      矢崎 健一、石田 厚、中野 隆志
    • 学会等名
      日本木材学会
    • 発表場所
      つくば
    • 年月日
      20080300

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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