研究概要 |
アカシア・マンギウムは、東南アジアにおける主要な早生樹であり、酸性や貧栄養条件の土壌でも旺盛に育つという特徴がある。木材は、紙パルプ用を中心に、薪炭および建材用など様々な目的に利用され、今後も重要な造林樹種である。しかし、上記のような利点の半面、材質や心材腐朽、乾燥特性などの欠点や改良すべき点もあり、このような特徴を克服するための育種が必要である。本研究では、バイオテクノロジーを使った効率的な育種を行うための基盤となる発現遺伝子の網羅的解析を2年間の研究期間で行うことを計画した。 平成19年度は、アカシア・マンギウムの発現遺伝子の網羅的解析のためのcDNAライブラリの作成と、cDNAライブラリ中のアカシア・マンギウム由来の塩基配列の決定(シーウエンス)作業を行った。 アカシア・マンギウムのシュートおよび分化中木部より、トータルRNAを調製後、逆転写反応によりcDNAを調製した。次にEvrogen社のcDNA平均化キット(Trimmer-Direct cDNA Normalization Kit)を用いて、cDNAを平均化した。平均化したcDNAは、Clontech社のCreator SMART cDNA library Construction Kitを用いてプラスミドライブラリを作成した。続いて、ライブラリ中のクローンをランダムに選び、約2,000クローンをシークエンスした。シークエンスした配列は、コンピュータプログラムを用いた各種配列解析に供した。
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