研究概要 |
今年度は,新たな政策や豚肉フードシステムの動き,消費者の食品に関するリスク認知について基本的な情報を収集するため,ハノイ市,ホーチミン市,フエ市を2回の現地調査によって訪れた。ベトナムの畜産政策,家畜衛生政策,食品衛生政策について近年の新しい動きを確認するために,ハノイにある農業農村開発省,畜産衛生,国立獣医学研究所,国立衛生疫学研究所を訪問し,情報収集を行った。畜産政策では2020年までを展望した新たな開発目標が掲げられており,また,2007年をYear of Food Safetyと設定し,VFA (Vietnam Food Association)を中心に食品衛生対策の強化に尽力しているとのことである。VFAでのヒアリングは2008年度に実施する予定である。また,ILRIのDr.Laparと近年のベトナムの養豚業について意見交換を行なった。ホーチミン市では,CPグループのDr.Lucとともに近年開設された家畜卸売市場を訪れ業務内容や川上の養豚農家,川下の屠畜業者の反応などについて情報収集を行った。また,消費者の食品由来健康リスクについて情報収集をするために,ハノイとフエにおいて,14人の被験者を対象に個別面接及びグループインタビューによる調査を行なった。これらの調査による成果は,「畜産の研究」(第61巻第4号,第5号,第7号,第9号,第11号,第61巻第3号)において(ベトナムの豚肉フードシステムとして連載)随時公表してきた。また,ゲアン省における肉豚卸売業の展開過程については,「開発学研究」第18巻第1号"Development of the Live Pig Wholesaling Activity in Vietnam-A Case Study of Nghe An Province-"2007年10月に掲載された。
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