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2009 年度 実績報告書

ソーシャル・キャピタルが農村共有資源管理に果たす役割に関する日中比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 19780168
研究機関滋賀大学

研究代表者

藤栄 剛  滋賀大学, 環境総合研究センター, 准教授 (40356316)

キーワード農村共有資源 / ソーシャル・キャピタル / 農業経済学
研究概要

本研究の課題は,わが国と中国の比較を通じて,ソーシャル・キャピタルが農村共有資源管理に果たす役割を明らかにすることにある。
本年度は,農林水産省『農林業センサス農業集落調査』における1980年,1990年,2000年の集落個票データから北海道,東京都,大阪府,沖縄県を除く43府県の各50集落を無作為抽出し,パネルデータを構築するとともに,これを用いて,わが国農業集落の農村共有資源管理メカニズムを検討した。また,日中比較を通じて,農村共有資源管理に影響を及ぼす共通の要因を検討した。
検討の結果,パネルデータの分析により,(1) 集落の規模は共有資源管理のための共同行動の実施に影響を及ぼさないこと,(2) 寄合回数に代理されるソーシャル・キャピタルは共有資源管理のための共同行動を促進すること,(3) 農業集落構成員の多様化や非農家率の上昇といった集落の社会的異質性の進展は,一定水準まで共同行動を促進する一方,その水準を超えると,共同行動の阻害要因となることがわかった。共有資源管理に関する大半の先行研究で用いられてきたクロスセクションの小規模サンプルでは,水系や地形など対象地域固有の要因と普遍的な要因を峻別して,共有資源管理メカニズムを検討することは困難であった。本研究では,大規模なパネルデータを用いて,地域固有の要因や時間効果をコントロールしつつ,わが国農業集落における社会的異質性と共有資源管理の関係を明らかにした。こうした関係は,昨年度検討した中国農村にも存在しており,日中農村に共通する普遍的な関係であることが示唆された。以上より,日中農村の比較を通じて,先行研究において確定的な結論の得られていない,集団の社会的異質性と共有資源管理の関係について,一定の普遍性を有する知見を得ることができた。なお,得られた結果は,今後,学術雑誌への投稿を通じて,公表を図る予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 圃場分散と面的集積の意向に関する規定要因-香川県における調査結果を用いて-2009

    • 著者名/発表者名
      仙田徹志・藤栄剛
    • 雑誌名

      農業経営研究 47

      ページ: 152-156

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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