1. 環境会計システムの開発 簿記システムに資材台帳をもうけ、肥料・農薬・消耗品などの農業経営に利用する資材ごとに、環境保全コストの分類を設定できるようにした。これらの資材を購入した時点で、簿記の適用効果と連動させることで、環境保全コストを集計できるようにした。 2. 環境保全効果に関する研究 農業分野でのプラスの環境保全効果については計測が困難であった。そこで、土壌微生物多様性・活性値の活用によるプラスの環境影響評価について研究し、これを環境保全効果として環境会計に導入することを検討した。 3. 農作業情報の収集・会計システムでの利用 環境保全のために投下した農作業のデータを合理的に収集するために、RFIDを利用して簡易に農作業情報を収集するために開発したシステムの現地適用試験を行った。また、システム利用により得られた農作業データ(作業内容、時間、位置情報、使用した経営資源、農薬などの使用量、利用機械および稼働時間など)を収集分類するためのソフトウェア開発を行った。さらに、集計した労務データから労務費を金額換算し、環境保全コストとして計算する手法について研究した。農薬や化学肥料の使用量の変化による環境保全効果を計算する手法について研究した。 4. 外部システムとのリンク 中央農業総合研究センターが開発している農業技術体系データベースとのリンクをはかることで、標準的な慣行農業と環境保全型農業との比較を行うために、必要な機能やデータ形式について研究した。また、他の研究機関が開発しているシステムとのリンクがはかれないか検討を行った。
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