研究概要 |
本年度は研究期間3年の2年目である。調査内容は, 昨年度と同様に排水路の上下流に水位計を3カ所, 雨量計1カ所, 6月に設置した。本補助金により購入した自動採水器を8〜11月の期間に排水路の上下流に設置し, 降雨出水時の連続採水を実施した。平水時の採水は予定通り, 1ヶ月に1回以上の頻度で実施し, 降雨出水も4回程度採水できた。過去の調査結果と今年度の採水試料の分析結果から, 平水時の浄化型排水路では流下にともなう濃度の低下が確認され, さらに改修後3年間で浄化効果が大きくなる傾向が確認された。負荷においても流下にともない減少する傾向が認められた。降雨出水時には浄化効果が無いものと予測していたが, データの蓄積により, 降雨出水時にも流下にともなう濃度低下が窒素と浮遊物質でみられ, とくに浮流物質でその効果が大きかった。一方, リンについては明確な傾向が認められなかった。また, 流量と浄化効果の関係についても検討をおこなった。これらの調査に加え, 今年度は, 浄化の要因と考えられる脱窒効果と植物体による吸収の寄与の程度を把握するため, コドラート試験を実施し植物体の窒素量を測定した。その結果, 植物体による窒素の固定は, 負荷削減量の3割程度を占めることが確認された。
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