研究概要 |
本研究課題は,保水能・保肥能が乏しい十壌を対象として,施肥窒素の溶脱抑制効果の高い炭化物の施用条件を明らかにすることを目的に行った.今年度は以下の検討を行った. 1. 炭化温度等が炭化物の保水能,窒素吸着能等に及ぼす影響の解明 2. 炭化物の土壌への混入割合が保水能,窒素吸着能,土壌中の水分・窒素移動等に及ぼす影響の解明 3._炭化物の土壌への混入条件(混入割合,混入深)が異なる場合における,作土層内の水分・窒素移動の数値解析 4. 水分・窒素移動解析モデルの援用により,試験結果を外挿し,窒素溶脱量を効果的に抑制するために最適な土層改良資材の特性(炭化条件等)や十層改良資材の混入条件等の推定 結果の概略は以下の通りである. 1. 700℃以上の炭化物ではNO_3-N吸着能が発現した. 2. 800℃の炭化物を土壌に混入した場合,吸着効果によりNO_3-N溶脱が遅延された.また、炭化物混入土壌中のNO_3-N溶脱は,炭化物の混入割合を考慮した非平衡吸着式の適用により予測することが可能であっか.更に,炭化物混入土壌におけるNO_3-N溶質移動パラメータが推定ざれた. 3. 炭化物の混入により,空隙が多くなるため,混入割合の増加により,不飽和透水係数は大きくなった.また,炭混入土壌における不飽和水分移動パラメータが推定された. 4. 炭化物の混入により粘質十と砂においで有効水分量が比例的に増加拍した.また,炭化温度の違いは有効水分量に殆ど影響せず,同様の保水力改善効果を示した.
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