| 研究概要 |
本研究が対象とする自脱コンバインによる穀稈の引き起こし性能は,作物の性状すなわち,収穫時の作物の倒伏の程度,また作物が有する物理的性質に左右される。この事実が,作業者に熟練した技術を要求すると共に,設計段階での機械の性能把握を困難にしている。以上の問題に対して,引き起こしタインー作物間の力学的相互作用を解明すると共に,引き起こしタインの自動制御を前提とし,作物の性状に応じた適切な引き起こし作用を提案することが本研究の目的である。
本年度は稲株について,強制変位と作物稈反力の関係を,準静的条件下ではあるものの実験的に明らかにした。また,実験結果から作物の初期性状の違いにより穂部の慣性力に大きな差異が生じることが確認された事から,研究代表者らが提案している作物稈の力学モデルに基づき,作物の初期性状の影響を考慮し強制変位-作物稈反力の関係を予測するための,たわみに関する微分方程式を導出した。実測値との照合から,稈先端の剛性が非常に低い事から3次元的な動きが確認され,二次元の荷重-変位関係を表現する微分方程式を用いた解析結果と若干の差異が見られた。従って,3次元方程式の導出が今後の課題として示された.
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