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2007 年度 実績報告書

多包性エキノコックス症の感染予防および治療に有用な抗体医薬の研究開発

研究課題

研究課題/領域番号 19780228
研究機関北海道立衛生研究所

研究代表者

後藤 明子  北海道立衛生研究所, 感染症センター生物科学部, 研究職員 (60414322)

キーワード寄生虫 / 抗体医薬 / 多包条虫 / 分子生物学
研究概要

ヒトの多包性エキノコックス症は多包条虫の幼虫寄生を原因とする人獣共通寄生虫感染症である。多包性エキノコックス症は肝臓などで多包虫が悪性腫瘍状の病巣を形成することで発症するが、現在は病巣を外科的に切除摘出する以外に確実な治療法はない。そのため、侵襲が少なく体に負担が少ない治療法を新しく開発することが必要である。近年、抗体分子そのものを感染症やがんの予防や治療に役立てる研究が進められており、一部は既に「抗体医薬」として実用化されている。本研究では、多包性エキノコックス症の感染予防や治療に有用な「抗体医薬」の候補となる抗体遺伝子を探索することを目的とする。
平成19年度は、「抗体医薬」の候補となる抗体遺伝子探索の基礎とするために、多包条虫幼虫に対する抗体の可変領域遺伝子のcDNAライブラリーを作成した。多包条虫の感染に比較的抵抗性を持つ近交系C57BL/10マウスに多包条虫の虫卵を経口投与した。感染から16週間後、マウスの脾臓を摘出してリンパ球を含む細胞成分を回収し、RNAを抽出した。IgG抗体の可変領域の遺伝子をRT-PCR法で増幅し、M13ファージゲノムベクターに組み込んだ。抗体可変領域の蛋白質をファージ粒子上に発現させて「ファージ抗体」のライブラリーを作成した。多包条虫の幼虫組織より抽出された抗原を用いてアフィニティー反応を行い、虫体由来抗原に反応性のあるファージ抗体を選択回収した。選択された抗体可変領域の遺伝子を含むファージの遺伝子をプラスミドに変換して蛋白質発現用の大腸菌に形質転換し、抗体の可変領域の組換え蛋白質を発現した。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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