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2007 年度 実績報告書

慢性疾患と貧血:炎症性サイトカインによる赤芽球系遺伝子転写抑制メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19780231
研究機関北海道大学

研究代表者

大塚 弥生  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 特任准教授 (30396303)

キーワード貧血 / 炎症性サイトカイン / AHSP / GATA-1 / STAT3
研究概要

本研究の目的はリウマチ性疾患・腫瘍性疾患など全身性慢性疾患において高頻度に発症する非再生性の貧血ACD(Anemia of chronic diseases)発症機序ついて、申請者のこれまでの研究より得られた知見「赤芽球分化に必須な転写因子GATA-1に制御される赤芽球系特異的遺伝子の発現がIL-6により抑制される」という現象を中心にその分子機構を解明することである。本年度は炎症性サイトカイン(IL-6、IL-1β、TNFα)受容から赤芽球系特異的遺伝子の発現抑制に至るまでの細胞内情報伝達経路の解析し、関連伝達因子および標的遺伝子の同定を行った。
赤芽球系前駆細胞モデルであるMELhide8細胞を用いて、炎症性サイトカインの受容により遺伝子発現を阻害される赤芽球特異的遺伝子を解析し、GATA-1に転写調節されるα-ヘモグロビン安定化蛋白質(AHSP)の遺伝子発現がIL-6により抑制されること、その他グロビン群遺伝子の発現も影響を受けることを明らかにした。またMELhide8細胞においてIL-6シグナルにより細胞内情報伝達分子STAT3が活性化することが判明した。さらにSTAT3ドミナントネガティブ変異体をMELhide8細胞に導入するとIL-6シグナルによるAHSP遺伝子発現抑制効果が減少した。これよりACD発症機序には、炎症性サイトカインIL-6がシグナル伝達物質STAT3を介して赤芽球特異的遺伝子の転写を抑制することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Identification of genes for two major sialoglycoproteins, glycophorin A and glycophorin C in canine red cell membranes2008

    • 著者名/発表者名
      Kota Sato, Yayoi Otsuka, Mutsumi Inaba, et. al.
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Veterinary Research 55

      ページ: 103-114

    • 査読あり
  • [学会発表] プリオン感染動物におけるAHSP mRNA量低下の分子機構:IL-6によるGATA-1依存性赤芽球特異的遺伝子発現の抑制2007

    • 著者名/発表者名
      大塚弥生、伊東大介、勝岡加代子、新敷信人、佐藤耕太、稲葉 睦
    • 学会等名
      第80回日本生化学会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-14
  • [学会発表] プリオン感染動物におけるAHSP mRNA量低下の分子機構:IL-6によるGATA-1依存性赤芽球特異的遺伝子発現の抑制2007

    • 著者名/発表者名
      大塚弥生、伊東大介、勝岡加代子、新敷信人、佐藤耕太、稲葉 睦
    • 学会等名
      第144回日本獣医学会
    • 発表場所
      北海道江別市酪農学園大学
    • 年月日
      2007-09-02

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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