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2008 年度 実績報告書

慢性疾患と貧血:炎症性サイトカインによる赤芽球系遺伝子転写抑制メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19780231
研究機関北海道大学

研究代表者

大塚 弥生  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 客員研究員 (30396303)

キーワード貧血 / 炎症性サイトカイン / AHSP / GATA-1 / STAT3
研究概要

本研究はリウマチ性疾患・腫瘍性疾患など全身性慢性疾患において高頻度に発症する非再生性の貧血ACD(Anemia of chronic diseases)発症機序ついて、とくに「赤芽球分化に必須な転写因子GATA-1に制御される赤芽球系特異的遺伝子の発現が炎症性サイトカインIL-6により抑制される」という現象を中心に、その分子機構について解析してきた。GATA-1に転写調節される赤芽球系特異的分子α-ヘモグロビン安定化蛋白質(AHSP)を標的遺伝子として、本年度は、赤芽球系前駆細胞モデルであるMELhipod8細胞(JJVR.56.2008.75-84)を用いて、細胞内情報伝達経路の解析および関連伝達因子および標的遺伝子の同定を行った。
IL-6により細胞内情報伝達経路であるJAK/STAT3経路が活性化することが前年度で得られたことから、STAT3ドミナントネガティブ変異体(STAT3-Y705F)をMELhipod8細胞に導入し、IL-6によるAHsP遺伝子発現抑制効果を観察した。その結果、STAT3-Y705F導入MELhipod8細胞ではIL-6受容後、内在性STAT3のリン酸化が阻害され、STAT3の核内移行が抑制され、AHSP遺伝子発現抑制が解除された。しかしAHSPの転写因子であるGATA-1の蛋白質量はIL-6によって影響されなかった。これよりACD発症機序には、炎症性サイトカインIL-6がシグナル伝達物質STAT3を介して赤芽球特異的遺伝子の転写を抑制することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Expression of a-hemoglobin stabilizing protein and cellular prion protein in a subclone of murine erythroleukemia cell line MEL2008

    • 著者名/発表者名
      Otsuka Y, Ito D, and Inaba M, et.al.
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Veterinary Research 56

      ページ: 75-84

    • 査読あり
  • [学会発表] 牛赤血球膜のグライコフォリンA2008

    • 著者名/発表者名
      大塚弥生、佐藤耕太、稲葉睦ら
    • 学会等名
      第146回日本獣医学会
    • 発表場所
      宮崎県・宮崎市シーガイア
    • 年月日
      2008-09-25
  • [学会発表] 牛赤血球膜グライコフォリンA : 同定、性状ならびに疾患病態との関連2008

    • 著者名/発表者名
      大塚弥生、佐藤耕太、稲葉睦ら
    • 学会等名
      日本膜学会第30年会
    • 発表場所
      東京都新宿区東京理科大・森戸記念館
    • 年月日
      2008-05-16

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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