研究概要 |
アワ在来品種の多様性評価のためのマーカーのスクリーニングを行なった。マーカーのひとつはSSRマーカーであり,Jia, et. al.(2007;Genetic Resources and Crop Evolution54:233-236)に報告されている4つのマーカーを用いてユーラシア各地の代表的な品種200品種について調査を行なった。各プライマー組み合わせについてフラングメント長を分析したところいずれもきわめて多様であることが明らかとなった。本研究については2008年春の明治大学における日本育種学会大会において発表済みである。また,もうひとつのマーカーはトランスポゾン・ディスプレーである。これまで我々が発見したアワ由来のトランスポゾンの配列を用いてトランスポゾン・ディスプレーを行い,上記SSR解析に用いた200品種について系統解析を行なったところ,地理的に明瞭な分化がみとめられ,これまでのRFLPなどの分析の結果(Fukunaga, et. al.2002Genetic Resources and Crop Evolution49:95-101)と同様な傾向を示した。この結果については現在投稿準備中である。また,これまで既に開発済みのrDNA遺伝子間スペーサーの配列や欠失によるタイピング(Fukunaga et a1.2005.Heredltasl42:38-44,Fukunaga, et. al.2006.Theoretical and Applied Genetics113:261-269)を東アジア隣接のパキスタンの品種に応用し,まとまったデータを得ておりこれについても投稿準備中である。
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