研究課題
endo-β-N-acetylglucosaminidase(Endo-A)のE173A変異体を用いてchemical rescueを行なうことでMan_5GlcNAc-β-N_3の酵素合成に成功した。これにより、GH85に属するendo-β-N-acetylglucosaminidaseの酸-塩基触媒残基がEl73であることを初めて明らかにすることが出来た。本成果は、endo-β-N-acetylglucosaminidaseの反応機構を明らかにする上で極めて重要であり、本酵素反応がオキサゾリン中間体を経て進行することが支持された。また、京都大学・山本憲二教授との共同研究により、Endo-Mのオキサゾリン形成に関わるN175A変異体を用いて、オキサゾリン中間体を基質としてglycosynthase様の酵素反応を行なうことでneoglycoconjugateの効率的な合成法の開発に成功した。本成果は、これまで糖タンパク質の糖鎖の自由なすげ替えを行なう上で障害となっていた糖転移物の分解を抑えることができる画期的な方法である。ただし、オキサゾリン基質の合成が糖転移物の効率的な合成を行う上での障害となっている。このため、オキサゾリン基質を使わずにthioglycoligaseやglycosynthaseの手法を利用した効率的で安価なneoglycoconjugateの構築法の開発を引き続き行っていく必要がある。
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J. Biol. Chem. 283
ページ: 4469-4479
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