研究概要 |
研究目的は、従来研究してきたアミノ酸の設計合成とそのペプチド二次構造研究に、環境調和型の電気化学的手法を導入した革新的なクリーン分子変換を行うことにより、新規非天然型アミノ酸の合成と機能性ペプチドフォールダマーヘの展開を行うというものである。 平成19年度は、ピロリジンやピペリジン等の環状アミン類、L-プロリン、L-ピペコリン酸等の環状アミノ酸から電極酸化反応を鍵反応としたアザビシクロ骨格の構築と、それらから誘導されるアザビシクロ-N-オキシル類の合成を行った。合成したアザビシクロ骨格の構築と、それらから誘導されるアザビシクロ-N-オキシル類の合成を行った。合成したアザビシクロ-N-オキシルは、アルコールの酸化を触媒する有機メディエーターとして汎用される2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル(TEMPO)に替る有機メディエーターとして機能することを明らかとした。特に、メントールの様な立体的に嵩高いアルコールに対して、アザビシクロ-N-オキシルはTEMPOよりも効率的なメディエーターとして働くことを見出した。これらのN-オキシルを用いたアルコール類の酸化反応は、過ヨウ素酸ナトリウムをバルク酸化剤として用いた化学的酸化法のみならず、N-オキシルとブロモアニオンをダブルメディエーターとした電極酸化法にも有用であった。 現在は、光学活性アミノ酸を原料とした光学活性なアザビシクロ-N-オキシルの合成と、それらをペプチドへ導入した機能性分子の設計-合成を行っている。
|