研究目的は、従来研究してきたアミノ酸の設計合成とそのペプチド二次構造研究に、環境調和型の電気化学的手法を導入した革新的なクリーン分子変換を行うことにより、新規非天然型アミノ酸の合成と機能性ペプチドフォールダマーヘの展開を行うというものである。 平成20年度は、1)ハイブリット手法による光学活性アミノ酸・ペプチドの合成、2)アミノ酸およびペプチド触媒を利用したアルコール類の不斉酸化、の2段階に分けて研究を行った。1)に関する研究では、D-ピペコリン酸を出発原料として有機化学的および電気化学的手法を駆使したハイブリット法により、アザビシクロ骨格を有する光学活性ビシクロアミノ酸と含有ペプチドの合成を行った。2)に関する研究では、合成したアミノ酸とペプチドをN-オキシル化し、N-オキシル含有アミノ酸およびペプチドを触媒として用いた二級アルコールの不斉電極酸化反応を検討した。その結果、アミド置換基により選択性が異なり、低〜中程度の効率でアルコールの不斉酸化が進行することを見出した。
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