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2007 年度 実績報告書

3αヒドロキシステロイド脱水素酵素の構造学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19790035
研究機関大阪大学

研究代表者

中村 昇太  大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教 (90432434)

キーワード酵素 / 蛋白質 / 分子動力学 / X線結晶構造解析 / 補酵素 / 反応機構 / ステロイド / 酸化還元反応
研究概要

3αヒドロキシステロイド脱水素酵素の反応機構解明のために分子動力学計算によるシミュレーションを行った。初期座標は結晶構造解析から得られたダイマー中一方のモノマーにNADHが結合している構造を用いた。エネルギー最小化と平衡化後の100 nsecにおよぶシミュレーションの結果、40nsec付近でNADHの非結合型のモノマーにおいて大きな構造変化が観測できた。この構造変化は結晶構造でNADHによってαヘリックス構造が誘起された基質結合ループ部分においてのみ起こっており、他の部分の構造変化は見られなかった。この基質結合ループは2つのαヘリックス構造を弛緩させながら溶媒方向に動いており、その可動範囲の角度は60度に及ぶことが明らかになった。この結果は結晶構造の結果と矛盾せず、この基質結合ループの可動性によって結晶構造中ではdisorderとなっていたことが示唆された。一方NADHが結合していたモノマーにおいては、基質結合ループにおいてもこのような構造変化は観測できず、基質結合ループの安定な配置にNADH結合が重要な役割を果たしていることが明らかになった。このシミュレーションによって、NADHと相互作用し基質結合ループの安定な配置に関与している数残基を同定できたので、今後はこれらの変異体を作成し、その酵素反応解析や分光学的な解析によって、反応機構を追いたいと考えている。分子動力学計算の他にもNAD複合体の結晶化実験を行っており、いくつかの結晶が得られている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Molecular dynamics simulation of 3a-hydroxysteroid dehydrogenase with NADH: Structural changes in the substrate-binding loop2007

    • 著者名/発表者名
      中村 昇太
    • 学会等名
      日本生物物理学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-21

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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