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2007 年度 実績報告書

プラズマ照射高分子表面を利用した細胞固定化用機能性バイオインターフェイスの設計

研究課題

研究課題/領域番号 19790038
研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

笹井 泰志  岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (60336633)

キーワードプラズマ加工 / 表面・界面物性 / バイオインターフェイス / 細胞接着 / ポリスチレン
研究概要

動物細胞の大部分を占める足場依存性細胞は,その生存や増殖のために何らかの器壁へ接着しなければならない。細胞培養容器に広く用いられているポリスチレン(PS)は,疎水性であり細胞接着性が極めて悪いため,適度に親水性基が表面に導入されたPS製品が細胞培養に使用されている。しかし,そのような容器を用いても培養困難な細胞は多く存在する。本研究の目的は,培養細胞の有効活用のため,プラズマ技術を利用し,化学的に不活性なPS表面にカルボキシル基あるいはヒドロキシル基を高密度で導入し,それら酸素含有官能基を介して,細胞との接着を制御するインターフェイスを構築することである。ところで,PSヘアルゴンプラズマを照射すると,その表面には多量のラジカルが生成し,同時にその再結合反応により,高度な架橋層が形成される(プラズマ架橋反応)。今年度は,ビニルメチルエーテル-無水マレイン酸共重合体(VEMA)を含浸させたPS表面にアルゴンプラズマ照射を行い,プラズマ架橋反応によりPS表面にVEMAを固定化し,その後,VEMAの無水マレイン酸部位を加水分解することによるPS表面への高密度カルボキシル基導入法を確立した。このカルボキシル基含有PS(PS/VEMAC)表面においてLNCap細胞を培養したところ,未処理のPSシャーレを用いた場合と比較して,細胞接着性および増殖性が有意に改善された。以上の結果より,PS/VEMACは,細胞親和性が良好であり,その表面カルボキシル基を介して更なる機能化も可能であることから,細胞固定化用機能性インターフェイス構築のための優れた基板としての利用が期待できる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Surface engineering of polymer sheet by plasma techniques and atom transfer radical polymerization for covalent immobilization of biomolecules2007

    • 著者名/発表者名
      笹井 泰志
    • 雑誌名

      Journal of photopolymer science and technology 20

      ページ: 197-200

    • 査読あり
  • [学会発表] Introduction of carboxyl group onto polystyrene surface using plasma techniques2007

    • 著者名/発表者名
      笹井 泰志
    • 学会等名
      6th Asian-European International Conference on Plasma Surface Engineering
    • 発表場所
      長崎(伊王島)
    • 年月日
      2007-09-28
  • [学会発表] Surface engineering of LDPE sheet by plasma techniques and atom transfer radical polymerization for fabrication of blood-compatible materials2007

    • 著者名/発表者名
      笹井 泰志
    • 学会等名
      18th International Symposium on Plasma Chemistry
    • 発表場所
      京都(京都大)
    • 年月日
      2007-08-27
  • [学会発表] プラズマ技術と原子移動ラジカル重合法による生体分子固定化用高分子表面の設計2007

    • 著者名/発表者名
      笹井 泰志
    • 学会等名
      第25回フォトポリマーコンファレンス シンポジウム:プラズマ光化学と高分子表面機能化
    • 発表場所
      千葉(千葉大)
    • 年月日
      2007-06-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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