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2007 年度 実績報告書

ウイルス感染に伴う宿主細胞膜上分子間相互作用の網羅的変動解析

研究課題

研究課題/領域番号 19790060
研究機関高知大学

研究代表者

小谷 典弘  高知大学, 医学部, 助教 (90342782)

キーワードEBウイルス / 細胞膜上分子 / 脂質マイクロドメイン
研究概要

本研究ではヒト癌ウイルスであるEpstein-Barrウイルス(EBV)感染というイベントに伴って宿主細胞の細胞膜上分子間相互作用がどのような影響を受けるかを明らかにすることを目的とする。
本年度は、まずEBV感染により発現レベルに変化が認められる宿主細胞膜上分子の分子間相互作用解析の研究を行った。第一にEBV感染B細胞株であるAkata細胞およびその細胞からEBVが脱離したAkata-細胞において各細胞間で遺伝子発現に差がある細胞膜上分子をDNAアレイを用いて解析した(理研、京大との共同研究)。その結果、これら細胞間においていくつかの細胞膜上分子の発現量が変化していた。中でも、GPIアンカー型細胞膜上分子であるThy-1(CD90)については、Akata-細胞と比較してAkata細胞において有意な発現上昇が見られたことから、EBVの感染に伴って発現上昇する分子である可能性が示唆された。Thy-1は通常T細胞マーカーとして使用される分子であり、B細胞由来の培養細胞であるAkata細胞において発現誘導が起ることは極めて興味深い。次に、DNAアレイの結果を追試する目的でAkata細胞およびAkata-細胞からtotal RNAを抽出しRT-PCRを行った。その結果、同様にAkata細胞ではAkata-細胞と比較して有意にThy-1のmRNAレベルの上昇が見られた。さらに抗Thy-1抗体を用いて各細胞膜上のThy-1のタンパク質レベルでの発現量をFACSで測定した。その結果、Akata細胞ではAkata-細胞と比較して約18倍細胞表面に発現していることが分かった。
Thy-1は細胞内シグナル伝達機構のプラットフォームである脂質マイクロドメイン上にも存在することから、本年度研究結果より、EBVの感染によるThy-1の細胞膜への発現が脂質マイクロドメインを含む宿主細胞膜上分子間相互作用の変化を誘起し宿主細胞内シグナル伝達機構の変化を誘導する可能性が示唆された。従って、Thy-1が相互作用する細胞表面分子を我々が開発した細胞表面分子間相互作用生化学的可視化法(biochemical Visualization)を用いて解析中である。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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