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2009 年度 実績報告書

血管系疾患の新診断と治療法開発を指向した酸化高密度リポタンパクの病態生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19790066
研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

松永 俊之  岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (80306274)

キーワードリポタンパク質 / 酸化 / 動脈硬化症 / 酸化ストレス
研究概要

(1) 血管平滑筋細胞に対する酸化リポタンパクの効果
硫酸銅で酸化することにより調製した酸化リポタンパク(ox-HDLおよびox-LDL)でヒト血管平滑筋細胞を24~72時間処理したが、細胞生存率の顕著な低下は見られなかった。しかし、酸化リポタンパクをFolch法により3つの画分(タンパク質画分、タンパク質-脂質結合体、脂質画分)に分画してそれぞれの画分における細胞生存率の変動を調べたところ、脂質画分およびタンパク質-脂質結合体において若干の生存率の低下が認められた。
(2) 酸化リポタンパクにより誘導される酸化ストレスに及ぼす一酸化窒素(NO)の効果
低濃度の酸化リポタンパクまたは酸化度の低いリポタンパクでの血管内皮細胞の処理は細胞内NO量を増加させたが、高濃度(200μg/ml以上)の酸化リポタンパクや酸化度(硫酸銅10μM以上)の高いリポタンパクはNO量を減少させた。このようなNO量の変動は、他の酸化ストレス誘導剤(過酸化水素やフェナンスレンキノン)でも認められ、抗酸化剤の前添加によりほとんど検出されなかったことから、酸化ストレスの誘導とNO産生との相関が示唆された。
(3) 酸化リポタンパク中の4-ヒドロキシ-2-ノネナール(HNE)の定量とその血管内皮細胞毒性機序の解明
銅酸化したリポタンパク中のHNEをジニトロフェニルヒドラジン誘導体としてHPLCにより検出した。HDLと比較してLDLの酸化時には高濃度のHNEの生成が見られた。また、HNE等の過酸化脂質の還元代謝に関わる酵素(アルドケト還元酵素)の細胞内への導入は、HNEによる血管内皮細胞毒性を低減したことから、過酸化脂質解毒酵素の動脈硬化抑制機序への関与が推測された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] -酸化窒素はフェナンスレンキノンによるヒト血管内皮細胞アポトーシスを減らす。-プロテアソーム機能の役割-2010

    • 著者名/発表者名
      松永俊之
    • 雑誌名

      トキシコロジー 268

      ページ: 191-197

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.gifu-pu.ac.jp/lab/seika/index.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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