研究概要 |
チトクロームP450(CYP)は薬物代謝酵素であり,j薬物の体内動態を制御する最も重要な因子である.これまでに多くの遺伝子多型を見出し酵素活性との関連を検討してきたが,遺伝子多型のみではCYPの酵素活性の個人差説明できない.そこでCYP同士のタンパク/タンパク相互作用(CYP/CYP相互作用)が起こり,このCYP/CYP相互作用がCYPの酵素活性を調節しているのではないかという仮説をたてた.本研究では,CYPにおけるタンパク/タンパク相互作用を介したCYPの酵素活性の制御機構を解明することを目的としている.本年度はMammalian two-hybrid systemを用いて,CYP/CYP相互作用の有無を検討した. CYP,また,CYPと相互作用することが報告されているNADPHつチトクロームP450還元酵素(CYP),チトクロームb5(b5)およびPGRMC1についてもGAL4およびVP16フュージョン発現用のプラスミドを作成し,GAL4結合サイトを含むルシフェラーゼレポータープラスミドを用いてレポーターアッセイにより,結合を確認したところ,CYP3A4とb5, CYP3A4とCPRとの結合が認められた.さらに,CYP3A4同士またはCYP3A4と別の分子種との結合が示唆された.現在,免疫沈降法を用いて,これらの結合を確認中である.
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