抗ヒスタミン薬による眠気などの鎮静作用発現を高感度、客観的かつ定量的に評価する方法を確立でき、血中濃度との関連性を検討することができた。鎮静作用の客観的評価としては、断続的眼球運動最大速度 (SPV: degree/sec)を用いた。(1)健康成人男性 6 名の参加により、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩の用量反応性試験を行ったところ、SPVの低下の程度と血中濃度との間に相関性が認められた。(2)d-クロルフェニラミンマレイン酸塩とエバスチンを試験薬剤とし、健康成人10名により行った。エバスチン服用後の主観的評価は服用前に比べ変化が見られなかったが、SPVは服用前に比べ低下した。自覚されない鎮静作用をSPVの低下として検出できたと考えられる。また、エバスチンではSPVの低下の程度と血中濃度との間に相関性が認められなかった。
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