研究課題
フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)は、チトクロムP450に次いで重要な薬物酸化酵素である。ヒト成人肝の主要分子種であるFMO3個人差の原因は明らかになっていない。そこで本研究では、ヒト肝FMO3の個人間変動と、その要因を明らかにすることを目的とした。タンパクが利用可能な日本人肝20検体において、FMO3mRNA量およびFMO3含量には,それぞれ数百倍および数十倍の個人差が存在した。肝FMO3mRNA量とFMO3含量との間には、有意な相関関係が認め照れた。FMO3コーディングおよび5'-上流領域の変異とFMO3mRNA量との間には明確な関係は認め照れなかった。レポーターアッセイを用いたFMO3遺伝子5'-上流領域の転写活性の解析より、肝FMO3の発現には、プロキシマルに存在するHNF-4結合領域とCCAATboxが協調的に関与していることが示唆された。これらの領域に結合する核内転写因子の-種であるHNF-4αおよびNF-YAn1RNA量と、FMO3mRNA量との間には有意な相関関係が認められ、両因子を含めた共相関係数が高値を示した。さらに別途調製した日本人肝試料21検体においても、これらの核内転写因子mRNA量と、FMO3mRNA量との間に、同様な相関関係が認められた。以上の結果から、日本人肝におけるFMO3発現量の個人差は、HNF-4αおよびNF-YA発現量の個人差がその一因であり、これらのトランスの因子が協調的に関与していることが示唆された。
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Drug Metab. Pharmacokinet (In press)
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ページ: 54-58
Xenobiotica 38
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