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2008 年度 実績報告書

カルシウムレスポンシブル亜鉛関連ナノ粒子を用いた時間制御型新規歯周病治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19790141
研究機関城西大学

研究代表者

徳留 嘉寛  城西大学, 薬学部, 准教授 (70409390)

キーワードDDS / バイオマテリアル / 歯槽骨 / 歯周病 / 骨再生
研究概要

1. 顎部低骨密度動物における新規マテリアルの顎骨形成促進効果の確認
平成19年度に作成した顎部低骨密度ラットに陽性対照として亜鉛にリン酸カルシウムを導入したZnTCP(Zinc containing tricalcium phosphate)、水溶性化合物として硫酸亜鉛、陰性対照として溶媒のコーン油(無治療群)、新規マテリアルとしてオクタン酸またはステアリン酸の亜鉛化合物を1週間に1度顎部付近に投与した。また、正常動物に関しても同様に検討した。試験項目は体重測定、小動物用3次元X線CT装置(pQCT, 武蔵野大学および城西大学既有機器)によって骨量の測定・解析を行なった。試験開始12週間後において、オクタン酸およびステアリン酸亜鉛投与群では無治療群に比べて、体重上昇、顎骨量が有意に上昇し、Shamコントロール群とほぼ同程度まで顎骨形成促進した。この結果は陽性対照群とほぼ同程度の効果が認められた。一方、水溶性の硫酸亜鉛投与群では無治療群とほぼ同程度の体重、骨量であった。以上の結果から、水溶性の硫酸亜鉛投与では効果が認められないこと。脂溶性の亜鉛化合物によって、効率的に顎部骨量を上昇させ、新規歯周病治療に効果が認められる可能性が示された。
2. 顎部低骨密度動物における新規マテリアルの投与後の血漿中亜鉛濃度の測定
顎部低骨密度ラットに骨密度上昇効果の確認されたオクタン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、陽性対照として亜鉛にリン酸カルシウムを導入したZnTCP(Zinc containing tricalcium phosphate)、水溶性化合物として硫酸亜鉛、陰性対照として溶媒のコーン油(無治療群)を顎部に投与し、経時的に採血した。得られた血液を遠心分離によって血漿を採取し、血漿中亜鉛濃度を亜鉛テストワコー(和光純薬)により測定し、亜鉛の血中の濃度曲線下面積(AUC, Area Under the Curve)を算出した。その結果、無治療群に比べて、硫酸亜鉛投与群はほぼ同程度のAUCであったが、ZnTCP、オクタン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛投与群では有意に高い亜鉛AUCが認められた。その中でもオクタン酸亜鉛で最もAUCが高値を示したことから、治療効果も高い可能性が示された。
3. 新規マテリアルの皮膚移行性試験
各種亜鉛化合物の皮膚浸透性や透過性を把握する為にラット皮膚を用いたin vitro皮膚透過試験を行なった。その結果、オクタン酸亜鉛の皮膚透過性は親水軟膏に入れるまたはリボソーム化することによって高くなることが認められた。
4. 学会発表、論文投稿など
得られた成果をバイオマテリアル学会で発表した。論文を現在準備中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 必須微量金属含有リン酸カルシウムナノ懸濁注射剤が骨粗しょう症ラットの歯槽骨形成促進に与える影響2008

    • 著者名/発表者名
      大塚誠、徳留嘉寛、伊藤敦夫、RZ.LeGeros
    • 学会等名
      日本バイオマテリアル学会シンポジウム2008
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20081100

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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