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2007 年度 実績報告書

ストレス応答タンパク質A170による新規摂食調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 19790178
研究機関筑波大学

研究代表者

蕨 栄治  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (70396612)

キーワード過食 / 肥満 / レプチン
研究概要

申請者らは、A170の生体内における機能を明らかにするために、ジーンターゲッティング法によりA170遺伝子欠損マウス(KOマウス)を作製し表現型を解析した。その結果驚くことに、A170 KOマウスは加齢とともに著しく体重が増加し、重度の肥満症を呈した。病態は肥満症にとどまらず、脂肪肝、2型糖尿病、高インスリン血症などの生活習慣病を併発していることが明らかになった。同マウスの食餌量は野生型マウスと比べ著しく増加しており、またそれを制限することで病態発症が抑制されることから、過食によるエネルギーの過剰摂取が病態を引き起こす原因であることを突き止めた。さらに、摂食調節において中心的な役割を担う中枢における発現を解析したところ、A170は視床下部において特に強く発現している領域があることを見出した。そこで本研究は、A170の中枢における機能に着目し、「ストレス応答タンパク質A170が摂食行動を調節する分子メカニズム」を明らかにすることを目的とした。
まず、脳特異的にA170を欠損させた(コンディショナルノックアウト)マウスの解析をするために、A170遺伝子のエクソン領域にLoxP配列を挿入したマウスを作成した。現在このマウスの解析に取りかかっている。
また、中枢における摂食調節遺伝子の発現をリアルタイムPCRにより解析した。その結果、主要な摂食調節遺伝子発現量に顕著な差異は認められなかったが、摂食調節因子の脳室内投与による薬理学的な実験により、レプチンに対する感受性が低下していることが明らかとなった。実際、血中のレプチン値も高値となっており、いわゆるレプチン抵抗性がA170欠損マウスが呈する肥満の原因であることが解明された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Differential roles for Nrf2 and AP-1 in upregulation of HO-1 expression by arsenite in murine embryonic fibroblasts.2008

    • 著者名/発表者名
      Harada H., et. al.
    • 雑誌名

      Free Radic.Res. 42(4)

      ページ: 297-304

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Homeostatic levels of p62 control cytoplasmic inclusion body formation in autophagy-deficient mince.2007

    • 著者名/発表者名
      Komatsu M., et. al.
    • 雑誌名

      Cell 131(6)

      ページ: 1149-1163

    • 査読あり
  • [学会発表] 視床下部ペプチド作動性神経細胞に対するレプチンの作用機構2007

    • 著者名/発表者名
      松木大造
    • 学会等名
      メタボリック症候群研究会
    • 発表場所
      東京ステーションコンファレンス
    • 年月日
      2007-12-22
  • [学会発表] A170/p62欠損マウスにおける過食に起因する肥満症と生活習慣病2007

    • 著者名/発表者名
      蕨栄治
    • 学会等名
      BMB2007
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-13
  • [学会発表] A170欠損マウスにおける過食のメカニズム2007

    • 著者名/発表者名
      原田春美
    • 学会等名
      臨床ストレス応答学会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2007-11-30
  • [学会発表] A170/p62欠損マウスが呈する肥満とインスリン抵抗性2007

    • 著者名/発表者名
      蕨栄治
    • 学会等名
      アディポサイエンス研究会
    • 発表場所
      千里阪急ホテル
    • 年月日
      2007-08-18

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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