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2007 年度 実績報告書

中枢化学受容器機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790182
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

平田 豊  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10441247)

キーワード二酸化炭素 / 中枢化学受容器 / 延髄 / 水素イオン濃度 / 培養細胞 / カルシウム応答
研究概要

本年度では、延髄の腹側及び背側由来のニューロン細胞、グリア細胞の培養、またはそれらの共培養系の安定的な単離法を確立した。それらの細胞にCa感受性蛍光色素であるFluo-4を染色し、現有機器の特殊高速高感度光計測システム(BrainVision社製MiCAM Ultima)を用いてCO_2/pH負荷によるCa応答のイメージング化に成功した。HEPES緩衝溶液による細胞外pHの7.4から6.8への変化では、細胞内Ca濃度上昇がみられた。この応答はタランチュラ毒由来のpsalmotoxin1によって阻害された。すなわち、このCa応答はacid-sensing ion channel 1a(ASIC1a)を介したものであるが、その活性化にはpH7.0以下の酸性が必要である。HEPES緩衝溶液によって細胞外pHを7.4から7.1への変化では細胞内Ca上昇は観察されなかった。一方で、生理的な範囲の5%CO_2から12%CO_2へ通気を変化させた26mMHCO_3緩衝液では、細胞外のpHは7.4から7.1の変化であるにも関わらず、細胞内Ca上昇が観察された。従って、CO_2/pH感受性は細胞外pH変化ではなく、CO_2負荷によるものであると推察される。この応答はグリア細胞の割合が高い培養系においても観察されたことから、グリア細胞がCO_2感受性を持っていることが示唆された(この成果は2008年7月のヨーロッパ神経科学学会にて発表予定)。現在、細胞内pH変化をイメージングするために、1波長励起からの2波長蛍光を計測可能な多波長同時観察ユニットシステムを特殊高速高感度光計測システムに組み合わせたセットアップが完了し、計測の進行中である。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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