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2007 年度 実績報告書

血管内皮細胞のカルシウムチャネルを活性化する因子の探索とチャネル活性化機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790186
研究機関信州大学

研究代表者

辻野 なつ子  信州大学, 医学部, 助教 (40432166)

キーワード血管内皮細胞 / トロンビン / 炎症 / カルシウムチャネル / パッチクランプ
研究概要

多くの炎症性メディエーターが,血管内皮細胞内カルシウムイオン(Ca^(2+))濃度上昇を引き起こし,炎症に関与することが報告されているが,その詳細は未知の部分がある。本研究では内皮細胞のCa^(2+)上昇を引き起こす生理活性物質の探索と,その機序の解明を目的とした。
1.炎症性メディエーターのブラジキニン,ヒスタミン,TNF-α,トロンビン,シスチニルロイコトリエンについて,ヒト臍帯静脈曲来内皮細胞(HUVEC)でCa^(2+)流入を起こすかどうかを検討した。細胞内Ca^(2+)上昇は,細胞収縮の発生を指漂とした。
結果1.ブラジキニン,ヒスタミン,TNF-α,シスチニルロイコトリエンは細胞收縮を起こさなかった。一方,トロンビンは濃度依存的にEC_(50) 0.05U/mlでHUVECを収縮させた。
2.結果1よりHUVECを収縮させたトロンビンを用い,内皮細胞でのCa^(2+)上昇経路について検討した。
結果2.トロンビンによるHUVECの収縮よ細胞内Ca^(2+)を除去するBAPTA-AM(10μM)て約半分に抑制された。内皮細胞の収縮こは,細胞外からのCa^(2+)流入が関与するとの報告から,トロンビンによるHUVECへのCa^(2+)流入経路についてパッチクランプ法の除去で抑制されたで検討した。-60mVの膜電位固定下で,トロンビンは濃度依存的にEC_(50) 0.13U/mlで電位非依存性の内向き電流を引き起こした。電流の逆転電位(56±10mV)から,電流はCa^(2+)電流である可能性が考えられた。さらに,電流は細胞外のCa^(2+)の除去で抑制された,
以上より,用いた炎症性メディエーターのうち,トロンビンが細胞収縮を引き起こし,収縮には電位非依存性のイオンチャネルを介したCa^(2+)流入が関与していることが明らかになった。今後はCa^(2+)流入の詳細な機序を明らかにすることが必要であり,これにより抗炎症薬の開発に貢献できる可能性がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] トロンビンはヒト血管内皮細胞で非選択的カチオン電流を誘発する2008

    • 著者名/発表者名
      辻野なつ子, 坪内清貴, 中田勉, 河合佳子, 弘瀬雅教, 山田充彦
    • 学会等名
      第81回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-03-17
  • [学会発表] トロンビンは非選択的陽イオンチャネルを介して内皮細胞活動を調節する2007

    • 著者名/発表者名
      辻野なつ子, 坪内清貴, 百瀬崇展, 弘瀬雅教, 山田充彦
    • 学会等名
      第48回日本脈管学会総会
    • 発表場所
      松本
    • 年月日
      2007-10-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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