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2008 年度 実績報告書

血管内皮細胞のカルシウムチャネルを活性化する因子の探索とチャネル活性化機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790186
研究機関金沢大学

研究代表者

辻野 なつ子  金沢大学, 医学系, 助教 (40432166)

キーワード血管内皮細胞 / トロンビン / 炎症 / カルシウムチャネル / 非選択的陽イオンチャネル / パッチクランプ
研究概要

昨年度の研究により、トロンビンがHUVECを収縮させ、その収縮には、細胞内Ca^<2+>の上昇が重要であることが明らかになった。またトロンビンによる内皮細胞のCa^<2+>流入経路について、電気生理学的に検討したところ、細胞外からのCa^<2+>電流が確認され。トロンビンは内皮細胞に細胞流入を引き起こすことが分かった。
そこで本年度は、Ca^<2+>流入に関与する細胞内情報伝達経路および関与するチャネルについて検討した。Ca^<2+>流入はproteinkinase Cの阻害薬で約半分に抑えられた,またphospholipase Cの阻害薬で完全に抑制されたことから、Ca^<2+>流入にはproteink kinase C、phospholipase Cが関与することが分かった。また、Ca^<2+>流入は非選択的陽イオンチャネルの阻害薬である、La^<3+>やSKF96365で抑制されたことから、非選択的陽イオンチャネルがCa^<2+>流入に関与していることが明らかになった。非選択的陽イオンチャネル候補としてtransient receptor potential(TRP)が考えられたため、HUVECに発現しているTRPをRT-PCRを用いて検討した、HUVECに発現しているTRPはTRPC1, 4, TRPV1, 2, 4, TRPM,7であった、そこでCa^<2+>流入に関わるチャネルを薬理学的に解析したところ、TRPV, TRPMの関与はないことが分かった, さらにTRPC1のドミナントネガティブ変異体をHUVECに発現させたが、Ca^<2+>流入は確認された, 一方、TRPC4のドミナントネガティブ変異体の発現でCa^<2+>流入は抑制された。以上よりトロンビンによるCa^<2+>流入にはTRPC4が関与しており、このCa^<2+>流入は炎症時の内皮細胞収縮に重要である可能性が考えられた。これらの結果は抗炎症薬の開発に貢献できる可能性がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Contribution of L-type Ca2+ channels to early afterdepolarizations induced by I Kr and I Ks channel suppression in guinea pig ventricular myocytes2008

    • 著者名/発表者名
      Yamada M, Ohta K, Niwa A, Tsujino N, Nakada T, Hirose M.
    • 雑誌名

      Journal of Membrane Biology 222

      ページ: 151-166

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mechanisms of preventive effect of nicorandil on ischaemia-induced vent ricular tachyarrhythmia in isolated arterially perfused canine left ventricular wedges2008

    • 著者名/発表者名
      Hirose M, Tsujino N, Nakada T, Yano S, Imamura H, Yamada M.
    • 雑誌名

      Basic & Clinical Pharmacology & Toxicology 102

      ページ: 504-514

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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