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2008 年度 実績報告書

レニン・アンジオテンシン系に関わる受容体依存性リガンド非依存性心肥大の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19790190
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

張 国興  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90444728)

キーワードARB / ATIR / MAPK / cardiac hypertrophy / alDha-, beta adrenergic receptor
研究概要

申請者は研究期限内に、1) α-、及びβ-アドレナリン受容体刺激あるいは容量負荷によって生じる急性、慢性心不全マウスモデルでARBによる治療効果と受容体-受容体affinity(免疫共沈降法による)、MAPK活性化、心筋エネルギー代謝、組織酸化ストレス、及びミトコンドリアが深く関係するアポトーシスを指標に解析する。2) 同様にATla受容体遺伝子欠失(ATlaR^<-/->)マウスを用いて、アドレナリン受容体刺激による心不全病態を評価する。3) MAPK活性化機構の検討では、その上流の制御因子mnall G proteinであるRap1(抑制性)とRas(刺激性)の制御機構を明らかとする。試験的なデータではあるが、β-アドレナリン受容体刺激にcAMP依存性のRap1の活性化亢進を認め、これがARB治療時のERK抑制に必須であり、ひいては心肥大、心筋酸化ストレスの正常化を促す可能性を得ている。
申請者らは、ARBの腎保護効果についても活性酸素の関係から動物モデルを用いて証明してきた。本研究は、レニン-アンジオテンシン系の関連薬剤の薬理学的解釈を深め、さらに臨床応用への基礎的根拠となるものである。本研究は、これらの結果をふまえてのもので、特に心不全病態下で血中あるいは組織局所での特異的受容体リガンドであるANGIIの増加が認めらない場合においても、ARBがその特異的受容体遮断効果を通して多因子複合型である心肥大シグナルを抑制制御するという仮説を提唱し、またこの証明となるエビデンスを提示することができる。心血管系リモデリングに関わるアンジオテンシン受容体の働きについて、新たな視点から検討し、さらに全く新しい治療薬、治療効果の考え方を示すことできると考えている。併せてこれら病態モデルにおいて、心筋の肥大など心血管系リモデリングに大きく関与するERKの制御因子、抑制性small Gタンパク質Rap1に焦点を当てた研究は過去に報告がなく、病態生理上の新たな評価方法を提示できると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Role of neuronal NO synthase in regulating vascular superoxide levels and mitogen-activated protein kinase phosphorylation2009

    • 著者名/発表者名
      Guo-Xing Zhang
    • 雑誌名

      Cardiovascular Research 81

      ページ: 389-399

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Opposite roles of nNOS in the cardiac ischemia reperfusion-induced in jury and in ischemia preconditioning-induced cardioprotection in mice2009

    • 著者名/発表者名
      Xiao-Mei Lu
    • 雑誌名

      The Journal of Physiological Sciences (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Role of nNOS in basal and angiotensin II-induced vascular O_2 generation and MAPK nhosohorvlation2009

    • 著者名/発表者名
      Guo-Xing Zhang
    • 学会等名
      第19回日本病態生理学会大会
    • 発表場所
      所沢
    • 年月日
      2009-01-24
  • [学会発表] 心拍数の増加は、ラット左心室のアクチンーミオシン架橋形成を減少させる2009

    • 著者名/発表者名
      竹下大輔
    • 学会等名
      第19回日本病態生理学会大会
    • 発表場所
      所沢
    • 年月日
      2009-01-24
  • [学会発表] Opposite roles of nNOS in cardiac ischemia reperfusion-induced injury and in ischemia preconditioning-induced cardioprotection in mice2008

    • 著者名/発表者名
      Guo-Xing Zhang
    • 学会等名
      第101回近畿生理学談話会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2008-09-13
  • [備考]

    • URL

      http://www.naramed-u.ac.jp/~2phy/Gyoseki.htm

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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