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2008 年度 実績報告書

海洋微生物ライブラリー由来の神経性ネクローシス抑制活性を有する低分子物質の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19790191
研究機関長崎大学

研究代表者

藤田 亮介  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70380855)

キーワード脳卒中 / プロサイモシンアルファー / ネクローシス / アポトーシス / 海洋微生物ライブラリー / ミクログリア / グルコース / 神経細胞
研究概要

本研究では、これまで創薬標的とされてこなかった神経性ネクローシスに着目し、ネクローシス抑制物質を海洋微生物ライブラリーより探索すると共に、そのリード分子として見いだした核蛋白質であるプロサイモシンα(ProTα)の分子基盤解明及び受容体同定を行うことを目的としている。最終年度の研究では、これまでに確立した初代培養神経細胞に対する無血清飢餓ストレスの負荷によってネクローシスを誘導する系を用いて、保有する海洋微生物ライブラリーよりネクローシス抑制活性を有する培養上清のスクリーニングを行い、数種類の海洋微生物の培養上清に神経ネクローシス抑制活性があることを明らかにした。ProTαの分子基盤解明では、脳と同じ中枢神経である網膜神経細胞を標的とした、網膜虚血モデル(45分虚血後再灌流)を用いた虚血性網膜神経細胞死に対するProTαの効果を検討し、虚血・再灌流処置24時間後の全身投与でも有意な保護効果を示すこと見出した。また、この保護機構は光に対する網膜の電気応答を検出すElectroretinogram法においても改善がみられ、機能的にも保護していることが示唆された。この様なProTαの保護機構には、直接的な神経ネクローシスの抑制と神経細胞及びグリア細胞からのBDNF等の神経栄養医因子の発現上昇による間接的なアポトーシス抑制機構があることが明らかになった。一方、ProTαによるBDNFの発現上昇機構を解明するため、細胞レベルでの検討を行い神経細胞のみの培養ではProTαによるBDNF発現上昇が認められない事、しかしながら、ミクログリアと神経細胞の共培養条件下では、ミクログリア及び神経細胞の両方でBDNF発現が増加することを見出した。さらに培養ミクログリアにProTαを処置した後回収した培養上清でも、神経細胞でのBDNF発現上昇が認められた事から、ProTαによるミクログリアから遊離分子が神経細胞のBDNFの発現に関与することが明らかになった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Prothymosin-alpha plays a defensive role in retinal ischemia through necrosis and apoptosis inhibition2009

    • 著者名/発表者名
      Ryousuke Fujita
    • 雑誌名

      Cell Death & Differentiation 16

      ページ: 349-358

    • 査読あり
  • [学会発表] 神経細胞におけるProthymosinαによるPKCβを介したGLUT4膜移行促進機構の解明2008

    • 著者名/発表者名
      藤村一輝
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会(BMB2008)
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸市)
    • 年月日
      2008-12-11
  • [学会発表] ProthymosinαによるPKCβを介した初代培養ミクログリアの活性化2008

    • 著者名/発表者名
      植村朋香
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会(BMB2008)
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸市)
    • 年月日
      2008-12-11
  • [学会発表] 新規脳保護分子Prothymosinαによるラットー過性脳卒中傷害の改善2008

    • 著者名/発表者名
      山崎達朗
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会(BMB2008)
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸市)
    • 年月日
      2008-12-11
  • [学会発表] Prothymosinαによる虚血依存的なミクログリア活性化2008

    • 著者名/発表者名
      米窪沙織
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会(BMB2008)
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸市)
    • 年月日
      2008-12-11
  • [学会発表] 脳卒中治療薬としてのProthymosinαの可能性2008

    • 著者名/発表者名
      神崎めぐみ
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会(BMB2008)
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸市)
    • 年月日
      2008-12-11
  • [学会発表] PET解析を用いたProthymosin-αによるPI(Cβ活性化を介したグルコース取込み促進2008

    • 著者名/発表者名
      藤田亮介
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会(BMB2008)
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸市)
    • 年月日
      2008-12-11
  • [備考] 長崎大・院医歯薬学総合・分子薬理学HP

    • URL

      http://www.plmagasaki-uac.jp/lab/neuro/index-j.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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