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2008 年度 実績報告書

ホスホイノシチドホスファターゼによるイノシトールリン脂質の時空間制御

研究課題

研究課題/領域番号 19790212
研究機関神戸大学

研究代表者

伊集院 壮  神戸大学, 医学研究科, 助教 (00361626)

キーワードPI3キナーゼ / インスリン / SKIP / PTEN
研究概要

ホスファチジルイノシトール3リン酸(以下、PIP3)は、インスリンや増殖因子シグナルを正に制御する因子である。その脱リン酸化酵素であるPIP3ホスファターゼはこれを負に制御する分子である。本研究で、私はPIP3ホスファターゼSKIPの遺伝子ノックアウトマウスが骨格筋組織に特異的に高いインスリン応答性を示すことを明らかにした(I juin et al.M.C.B.2008)。これはPTENやSHIP2ノックアウトマウスと異なる表現型である。そのため、SKIPへテロノックアウトマウスは、高脂肪食による肥満やインスリン抵抗性の惹起に対して、顕著な抵抗性を示す。従って、SKIPは新しい糖尿病治療や予防の標的と成ることが期待される。さらに、私は、マウスC2C12細胞において、SKIP、PTEN、SHIP2によるPIP3代謝制御について検討を行った。その結果、PTENは増殖因子非依存的な細胞内PIP3調節を、一方、SKIPやSHIP2では、増殖因子依存的なPIP3脱リン酸化を行っていることが明らかになった。これは、PIP3ホスファターゼが細胞内の異なるPIP3に働きかけていること(空間的な制御の存在)、また刺激の有無により働くホスファターゼが異なること(時間的な制御の存在)を示唆している。実際に、これらのPIP3ホスファターゼは細胞内で異なる局在を示している。今後は、細胞内PIP3動態を可視化することによって、これらPIP3ホスファターゼの時空間制御を明らかにしていく計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Increased insulin action in SKIP heterozygous knockout mice2008

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Ijuin, Tadaomi Takenawaら
    • 雑誌名

      Molecular and Cellular Biology 28(17)

      ページ: 5184-5195

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Involvement of the nectin-afadin complex in PDGF-induced cell survival2008

    • 著者名/発表者名
      Noriyuki Kanzaki, Takeshi Ijuinら
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science 121(12)

      ページ: 2008-2017

    • 査読あり
  • [学会発表] ホスホイノシチドホスファターゼによるインスリン刺激依存的なGLUT4の膜移行の制御2008

    • 著者名/発表者名
      伊集院壮、竹縄忠臣
    • 学会等名
      日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2008-07-01
  • [学会発表] 細胞内PIP3調節とインスリン依存的糖代謝2008

    • 著者名/発表者名
      伊集院壮、竹縄忠臣
    • 学会等名
      BMB2008
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2008-07-01

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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