家族性筋萎縮性側索硬化症(FALS)において、ミトコンドリア内のS-ニトロシル化をうけたタンパク質量の減少が報告され、ミトコンドリア内にも局在するCu,Zn-superoxide dismutase (SOD1)のCuが脱ニトロシル化を促進しているのではないかと推測されたが、根本的な点で矛盾があったので再検討した。生体内でのSOD1による脱ニトロシル化活性は期待できるものではなく、野生型とFALS変異型SOD1において、脱ニトロシル化活性の値に有意差は認められなかったことより、FALSとSOD1の脱ニトロシル化活性との関連は見出せなかった。
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