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2008 年度 実績報告書

筋ジストロフィー症の発症に関わる糖鎖合成酵素の機能解析とその破綻

研究課題

研究課題/領域番号 19790244
研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

萬谷 啓子  (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (70415496)

キーワード筋ジストロフィー / O-マンノース型糖鎖 / POMT / α-ジストログリカン
研究概要

α-DGは糖鎖を介してラミニンなどの基底膜の分子に結合し神経や筋組織を正常に保つ。α-DGの主要糖鎖であるO-マンノース型糖鎖の生合成を担う糖転移酵素POMT1、POMT2は先天性筋ジストロフィーの原因遺伝子産物である。POMT1とPOMT2の酵素活性の発現にはPOMT1-POMT2複合体の形成が必要である。これまで調べた範囲では、WWSでみられるPOMT1およびPOMT2の変異はPOMT活性を失活させる。変異により活性消失のメカニズムについてはよく分かっていないが、変異がPOMT1およびPOMT2の広範囲に散在していることから、タンパク質の構造異常がひとつの要因として考えられる。POMT1とPOMT2は多回数膜貫通型タンパク質と予測されているが、その構造情報は未だ不明である。ところで、N型糖鎖の修飾は小胞体およびゴルジ体の内腔側でしか起こらないことから、膜タンパク質の膜に対する配向性の指標として利用できる。ヒトPOMT1とPOMT2にはN型糖鎖修飾のコンセンサス配列(Asn-X-Ser/Thr)がそれぞれ4ヶ所と5ヶ所存在する。そこで、N型糖鎖修飾され得るAsnをGlnに置換した変異体を作製し、分子量の変化からN型糖鎖の修飾部位を決定した。また、変異によるPOMT活性への影響を調べた。
変異体の解析からPOMT1では3ヶ所に、POMT2では5ヶ所全てにN型糖鎖が修飾されることが分かり、この結果は現在予測されている膜配向性モデルを支持するものであった。また、POMT1あるいはPOMT2のAsnを1ヶ所置換しても、POMT活性にはほとんど影響しないことが分かった。さらに、POMT1かPOMT2のどちらか一方のAsnをすべて置換してN結合型糖鎖を欠失させると、POMT活性が完全に消失した。これらの結果から、POMT1とPOMT2のN型糖鎖はPOMT活性に必要であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] O-マンノース転移酵素におけるN型糖鎖の役割2008

    • 著者名/発表者名
      萬谷博
    • 学会等名
      第28回日本糖質学会年会
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      20080818-20
  • [学会発表] 神経移動障害を伴う先天性筋ジストロフィー2008

    • 著者名/発表者名
      遠藤玉夫
    • 学会等名
      第31回日本神経科学大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20080709-11
  • [学会発表] O-マンノース転移酵素におけるN型糖鎖の役割2008

    • 著者名/発表者名
      萬谷博
    • 学会等名
      第81回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2008-12-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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