研究課題
1. ヒトおよびマウス組織おける核内受容体の組織局在の同定48核内受容体のうち特異性・免疫染色での染色性の確認された29種類の核内受容体について各臓器における組織細胞内局在の解析を完了し、現在投稿準備中である。特に肝、膵については細胞特異的局在につき詳細な検討を行なった。その結果のひとつとして、糖尿病の原因遺伝子の一種であるHNF4αは従来多くの他グループのRNAレベルでの検討により膵ラ氏島のインスリン産生細胞(β細胞)において発現を認めるとされてきたが、当研究での組織学的解析によりHNF4αの発現はインスリン産生細胞(β細胞)よりもグルカゴン産生細胞(α細胞)でより強く発現することが判明するなど、興味深いデータが得られ、論文発表した。2. 特徴的な局在を示した核内受容体の細胞内局在検討HepG2細胞における蛍光免疫染色、western blotで系統的に検討した結果、12種類の抗体で特異性が明らかになった。現在も11種類の抗体の特異性検討を進行中である。核内微小器官に対する特異的抗体を組み合わせた蛍光多重染色により、RORは核小体のgranular component、LXRαはdense fibrillar componentにと異なる局在を示すことが判明した。3. 核内受容体LXRαの局在と機能の分子生物学的解析LXRαの局在と機能の解析をHepG2細胞を用いて行った。その結果、LXRαがリボゾームRNA転写において重要な役割を担う分子であることが判明した。LXRαの刺激によりリボゾーム転写が促進され、LXRαとリボゾーム転写関連分子UBFとの間に相互作用が見られた。今後、より詳細な検討を進める予定である。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
Pathol Int. 59(2)
ページ: 61-72
Pathol Int. 59(3)
ページ: 152-60