本研究では甲状腺癌におけるThyroid transcription factor-1 (TTF-1)発現にエピジェネティックス機構が関与するか検討を行った。その結果TTF-1プロモーターのDNAメチル化は甲状腺未分化癌の60%に認め、TTF-1遺伝子の発現とは逆の相関を示した。またTTF-1遺伝子発現状態とヒストン蛋白の修飾には関連性が認められた。これらの結果は甲状腺癌におけるTTF-1発現制御にDNAメチル化及びクロマチン修飾が関与することを示し、エピジェネティックス機構を介した甲状腺癌分化誘導療法への可能性を示唆した。
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