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2007 年度 実績報告書

未成熟ミエロイド系細胞の担癌宿主内動態とケモカインによる制御

研究課題

研究課題/領域番号 19790283
研究機関東京大学

研究代表者

上羽 悟史  東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (00447385)

キーワード腫瘍 / 癌 / ケモカイン / MDSC / TAM
研究概要

腫瘍が免疫系から逃れ成長する過程には、種々の抑制性免疫担当細胞が関与することが近年明らかになってきた。なかでも未成熟ミエロイド系細胞(ImC)は、T細胞に対する強い抑制活性を示し、また腫瘍組織における血管新生および組織再構築にも関与す事が報告されており、近年では腫瘍免疫抑制解除の標的として注目されている。しかしながら、白血球遊走因子ケモカインによるImCの生体内動態制御および骨髄および末梢血におけるImC前駆細胞に関する知見は乏しかった。
これらの疑問に答えるべく、本研究課題ではフローサイトメトリー、in vivo BrdU取り込み試験および並体結合を行い、マウス皮下腫瘍モデルで誘導される腫瘍浸潤MDSCsは、主に骨髄由来炎症性マクロファージと好中球から構成される事を明らかにした。これらの細胞は末梢組織での増殖応答は示さず、またマクロファージのターンオーバーは好中球より速いものであった。ケモカイン受容体CCR2欠損マウスでは、腫瘍浸潤細胞の構成がマクロファージ優位から好中球優位へと変化し、その一因として腫瘍局所におけるCXCL2およびG-CSFの過剰産生が示唆された。一方でこれらCCR2欠損マウスではエフェクターT細胞の誘導増強および腫瘍増殖の抑制を認めなかったことから、CCR2を標的としてMDSCsの腫瘍浸潤を制御するのみでは治療効果を得るのに十分ではないことが示唆された。これらの成果はケモカインを標的としたImCの動態制御による新規な腫瘍免疫抑制解除戦略の基礎を築く上で重要な貢献ができるものと思われる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Chemokine-mediated rapid turnover of myeloid-derived suppressor cells in tumor-bearing mice2008

    • 著者名/発表者名
      Ueha S
    • 雑誌名

      Blood (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] Pivotal role of CCR2 in the recruitment of CD11b+Gr-1dull immature myeloid cells to the tumor tissue2007

    • 著者名/発表者名
      Yasushi Sawanobori
    • 学会等名
      第37回 日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      駿河区静岡コンベンションアーツセンター
    • 年月日
      2007-11-22
  • [学会発表] Pivotal role of CCR2 in the recruitment of CD11b+Gr-1dull immature myeloid cells to the tumor tissue2007

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Ueha
    • 学会等名
      66th Annual Meeting of the Japanese Cancer Association
    • 発表場所
      横浜市 パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-10-03
  • [学会発表] CCR2による未成熟ミエロイド系細胞の腫瘍浸潤制御2007

    • 著者名/発表者名
      上羽 悟史
    • 学会等名
      第28回日本炎症・再生医学会
    • 発表場所
      新宿区 京王プラザホテル
    • 年月日
      2007-08-02
  • [学会発表] Pivotal role of CCR2 in the recruitment of CD11b+Gr-1dull immature myeloid cells to the tumor tissue2007

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Ueha
    • 学会等名
      第11回基盤的癌免疫研究会総会
    • 発表場所
      文京区 東京大学鉄門記念講堂
    • 年月日
      2007-07-11
  • [学会発表] Pivotal role of CCR2 in the recruitment of CD11b+Gr-1dull immature myeloid cells to the tumor tissue2007

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Ueha
    • 学会等名
      International symposium on molecular cell biology of macrophages
    • 発表場所
      駿河区静岡コンベンションアーツセンター
    • 年月日
      2007-06-15

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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